【甘酸っぱい】バラ&ベリーの香りの香水15選

バラのフェミニンな面を引き立たせる、甘酸っぱいベリーの香り。
数あるバラ香水の中でも特に人気の高い、バラ&ベリーの香水を集めました。

一口にベリー系と言っても、ラズベリーやカシス、イチゴなど、その表情は様々。
初恋のように甘酸っぱい香水たちを、ごゆっくりお楽しみください。

※この記事は全12本で構成された『ローズ香水特集』の『ベリー系』です。
その他の香りはこちら、ローズ香水123選からご覧ください。

もくじ

ジョーバン シルキーローズ(ブラックカラント:ユニセックスのセクシー系)

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ジョーバン シルキー ローズ
* Jovan Silky Rose *
香調:オリエンタル・フローラル <ユニセックス>

レッドカラントがスパイシーに香る、セクシーでユニセックスな香り。
ムスク香水で大人気なジョーバンの、優秀ローズ香水です。

2012年発表

<トップ> レッドカラントのフルーティーで甘酸っぱいベリー感があふれ出し、ほんのりスパイシーなニュアンスのローズ(バラ)が明るい華やかさを、パチョリがスッキリとしたハーバルな爽快感を絡めます。

<ミドル> ローズ・ブーケ(薔薇ミックス)のバランスの良い贅沢な華やかさがあふれ出し、オレンジブロッサムがクリーンでフレッシュな甘さを、ジャスミンが草の葉のようなセンシュアルなグリーン感を添えます。

<ラスト> ムスクの清潔感あふれるパウダリー感がゆったり広がり、アンバーが温かみのあるオリエンタルなアニマル感を、バニラが独特の華やかな甘さを絡めます。


*スパイシーなレッドカラント&ローズの香りが、爽やかで華やかなローズブーケへ高まり、ふんわりと、センシュアルなムスクに落ち着きます。

「ムスクの香水」で世界的に有名なジョーバンの、知る人ぞ知る、ユニセックスなローズ香水。
意外に少ない男女共用のバラ・フレグランスの中でも、特にセクシーさを前面に出しつつ、それでいて不思議に男性にも女性にもしっくりくる、とても貴重で優秀な香りです。

「明るさとセクシーさ、ベリーにローズにムスク」といった、純粋で明確なテーマを打ち出し、更にその個々の素材の持ち味や質感を上手くコントロールした、絶妙な調香がポイント。

トップのスパイシーなトーンが大胆に華やぎ、次第にフワフワムスクに溶けていくまろい香りの変化が、誘惑されているような甘やかな気分にさせてくれる、どなたにもオススメできる、万人受けしやすいベリー系ローズ香水です。

[持続性] ★★★☆☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

ブルガリ ローズエッセンシャル(ブラックベリー系:洗練された香り)

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ブルガリ ローズ エッセンシャル
* Bvlgari Rose Essentielle *
香調:フローラル <レディース>

ブルガリ節が効いた、ブラックベリーとオスマンローズの香り。
ほど良いパウダリー感で全体を上品に仕上げた、洗練されたローズ香水です。

2006年発表 * 調香師 Beatrice Piquet

<トップ> オスマンローズの明るくエレガントな華やかさがあふれ出し、ブラックベリーがピリリとした円やかな甘酸っぱさを絡める。そして、バイオレットが大地の香りのパウダリー感で深みを出します。

<ミドル> ローズミックスの上品でバランスの良いバラ感がゆったりと広がり、ミモザがほんのりナッツ風味のする霞がかったような甘さを、ジャスミンが明るいグリーンニュアンスを添えます。

<ラスト> ムスクのクリーンなパウダリー感がゆったりと広がり、サンダルウッド(白檀)がミルキーな、グアヤクウッドがエキゾチックでスモーキーなウッディー感(木の香り)を絡め、パチョリがハーバルなスパイシー感で全体をシャープに引き締めます。


*甘酸っぱいローズの香りが、優雅でロマンチックなローズへと高まり、ふんわりと、都会的なウッディー&ムスクに落ち着きます。

トップの甘酸っぱいベリーニュアンスのバラが、フワッと力強い華やかさのローズミックスに広がる感じが美しい、とことんフェミニンでロマンチックな香り。

かなりしっかりバラが香るのですが、それと同時に、香水としての完成度を追求した細やかなトーンの調整が光っており、特にトップからラストまでの、それぞれニュアンスの違うパウダリー感が秀逸。

現代的・都会的な、ブルガリらしいバラ香水です。


[持続性] ★★★★☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

バレンシアガ(ブラックベリー:愛らしい秀逸シプレ)

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バレンシアガ ロー ローズ
* Balenciaga L’Eau Rose *
香調:シプレ・フローラル <レディース>

透明感あふれる、愛らしいベリー&ローズ香水。
シプレ入門にも最適な、穏やかで秀逸な香りです。

2013年発表

<トップ> ブラックベリーの蜂蜜の混じったようなメロウな甘酸っぱさがあふれ出します。

<ミドル> ローズ(バラ)のフェミニンな明るい薔薇感があふれ出し、バイオレット(ニオイスミレ)が土のような香りのソフトなパウダリー感を絡める。そして、パチョリがハーバルなスパイシー感で全体を引き締めます。

<ラスト> サイプレス(西洋ヒノキ)のほんのりスパイシーで爽やかなウッディー感(木の香り)があふれだし、シダーがエネルギッシュな甘いウッディーニュアンスを絡め、ムスクが優しいパウダリー感で全体を包み込みます。


*メロウなブラックベリーの香りが、パウダリーなローズへと高まり、ふんわりと、爽やかで甘い木の香りに落ち着きます。

透明感あふれる、愛らしいベリー&ローズ香水。
ほんのりとしたスパイシー感と柔らかな大地の気配が全体を貫いた、ノスタルジックな気分になれる、一枚の絵のような香りです。

シプレ系のしっかりとした下地を軸に、大胆にキュートなベリーとローズをあしらった、若い子向けのシプレ入門香水としてもとてもおすすめできる、非常に完成度の高い作品です。

ほど良くパウダリーで、甘さも控えめ。全体のトーンはスッキリとした清々しい静けさに包まれており、また、サイプレスのヒノキ風呂のような澄んだウッディー感がとても心地よく、もう褒めるところしかない香りです。

ついでにもうちょっと褒めてみると、香水としての香りの処理のセンスも秀逸で、香りの広がり方はホンワリ穏やか。シプレ系に心配されがちな重さやイガイガした感じもありません。

[持続性] ★★★☆☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

ロクシタンローズ(ラズベリー&ブラックベリー:楚々としたフルーティー系)

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ロクシタン ローズ
* L`Occitane en Provence Roses et Reines *
香調:フローラル <レディース>

繊細で透明感あふれる、フルーティー系ローズ香水。
ロクシタンらしい、淡く楚々とした香りです。

2014年発表 * 調香師 Karine Dubreuil

<トップ> ブラックカラントリーフ(カシスの葉)のピリリとした独特のアンモニックなグリーン感に、ベルガモットがアロマティックなシトラス感(柑橘感)を絡めます。

<ミドル> グラースローズとブルガリアンローズの蜂蜜が混じったようなフルーティーな薔薇感に、ターキッシュローズ(トルコローズ)が淡い紅茶のような爽やかなニュアンスを、モロカンローズ(モロッコローズ)が濃厚さと僅かなスパイシーさを絡めます。そして、ラズベリーが落ち着いた優しいベリー感で全体をブラッシュアップします。

<ラスト> ブラックベリーの芳醇で蜂蜜の混じったような甘酸っぱさがあふれ出し、ムスクが清潔感あふれるパウダリー感を絡める。そして、ホワイトシダーがほんのりスパイシーな甘めウッディー感(木の香り)を、ヘリオトロープがナッツ風味の霞がかったような甘さを添えます。


*アロマティックなグリーン&シトラスが、フルーティーなローズミックスへと高まり、ふんわりと、甘めウッディーに落ち着きます。

ロクシタンらしい、繊細で透明感あふれるフルーティー系ローズ。
楚々とした華やかさに、ベリー系の甘酸っぱさがフェミニン感とキュート感をプラスした、乙女チックでロマンチックな香りです。

同じ香りでボディークリームやヘアケア製品も展開しているだけあって、癖のないあっさりとした嗅ぎつかれない優しいトーンと、リラックス感や心地良さを大切にしている印象です。

個人的にはロクシタンのシャンプーのシルキーな香り方や使用感が大好きなので、このローズシャンプーに、ベリー系の香水やパウダリーな派手めローズ香水を合わせるのがおすすめ。デートする時に、めっちゃテンションあがります。

[持続性] ★★★☆☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

ジャンフランコフェレ ローズプリンセス(ブラックベリー系:グリース・ケリー公妃の薔薇をイメージ)

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ジャン フランコ フェレ ローズ プリンセス
* Gianfranco Ferre Rose Princesse *
香調:フローラル・フルーティー <レディース>

グリース・ケリー公妃の薔薇をイメージした、優美なフレグランス。
明るくフルーティー、綺麗な甘さのローズ香水です。

2008年発表 * 調香師 Karine Dubreuil

<トップ> ワイルド・ブラックベリーのピリリとした豊かな甘酸っぱさが広がり、スパニッシュ・スウィート・オレンジがジューシーな、シシリアン・ベルガモットがほんのり苦いアロマティックな、メキシカン・レモンがキラキラとしたシトラス感(柑橘の香り)を絡める。そして、グリーンアップルがソフトでフレッシュなフルーティー感で全体を円やかにします。

<ミドル> ローズ・プリンセスとダマスクローズの、蜂蜜のような甘さの混じった優美なバラ感があふれだし、ウッド・ライラック(紫丁香花)が涼やかでクリーンな、マグノリア(木蓮)が上品でフレッシュな華やかさを添える。そして、バイオレット・リーフがウォータリーなグリーン感で、モダンさと爽やかさを演出します。

<ラスト> パリサンダー・ローズウッドの薔薇ニュアンスの明るいウッディー感(木の香り)に、サンダルウッド(白檀)がミルキーでオリエンタルなニュアンスを絡め、ムスクが甘いパウダリー感で全体を優しく包み込みます。


*フルーティーなブラックベリーが、優美なローズ・プリンセスへと高まり、ふんわりと、明るいウッディー&ムスクに落ち着きます。

フルーティーでバランスの良い、気品あふれる薔薇の香り。
グリース・ケリー公妃に捧げられた、「プリンセス・ドゥ・モナコ」というハイブリッド・ティーローズの一種をメインに据えた、ニュアンスにこだわった香水です。

シトラス系バラ香水に分類しようかとも迷ったのですが、フルーティーな甘酸っぱさが綺麗に出ていたので、こちらに分類。
薔薇の花をパチリと写真にとったような、ある種記号化された「香水のためのバラ香水」といった趣があり、とても大切に作られた印象を受けます。

「最高に優雅なバラ香水を作ってみよう!」なんてコンセプトのもと調合されたかのような、とことん優美な香りです。

[持続性] ★★☆☆☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

ジョルジオアルマーニ エンポリオアルマーニダイアモンド(ラズベリー&カシス:モダンで颯爽とした香り)

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ジョルジオ アルマーニ エンポリオ アルマーニ ダイアモンズ ローズ
* Giorgio Armani Emporio Armani Diamonds Rose *
香調:フローラル・フルーティー <レディース>

ラズベリー&カシスが香る、モダンで颯爽としたローズ香水。
ほど良くグリーンで、ラストまで軽やかなトーンが続きます。

2013年発表

<トップ> ラズベリーのほんのりウッディーな落ち着いた甘酸っぱさに、ブラックカラント(カシス/クロスグリ)がピリッとしたフルーティーなベリー感を、ベルガモットが苦くて酸っぱい上品なシトラス感を絡めます。

<ミドル> ローズ(薔薇)のフェミニンな華やかさがあふれ出し、フリージア(浅黄水仙)が艶やかでペッパーな、リリー・オブ・ザ・ヴァレイ(すずらん)が明るく清楚なグリーンフローラル感を添えます。

<ラスト> アンブレットシード(ムスクマロウ/植物由来)のメタリックなムスク感があふれだし、パチョリがスパイシーなハーバル感で爽快感を添えます。


*明るいラズベリー&カシスが、グリーン感をまとったローズへと高まり、ラストは颯爽としたムスクへ落ち着きます。

ベリーのキュートさとグリーンフローラルの清々しさに包まれた、モダンで明るいローズの香り。

しっかり薔薇らしく香るのに、全体のトーンは甘酸っぱさやスパイシー感がほど良く効いており、とても元気で颯爽とした印象に仕上がっています。

ラストノートが特徴的で、アンブレット・シード(アオイ科の植物から採れる種子)のシャラシャラとした明るいムスクに似た香りと、そのほんのりメタリックなトーンを綺麗に引き立てているスパイシーなパチョリが、何ともモダンでイケメン。

子供過ぎず、大人過ぎず。
フェミニンだけど媚びない、毎日使いたくなる軽やかなバラ香水です。

[持続性] ★★★☆☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋 / デイタイム・ナイトタイム

ランバン ジャンヌ(レッドカラント系:お姉さんフェミニン)

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ランバン ジャンヌ ランバン ラ ローズ
* Lanvin Jeanne La Rose *
香調:フローラル・フルーティー <レディース>

レッドカラントが優しく香る、お姉さんなフェミニン・ローズ。
万人受けしやすい、シンプルでバランスの良い香りです。

2008年発表 * 調香師 Olivier Pescheux

<シングル> ローズ(バラ)のロマンチックな華やかさがあふれ出し、レッド・カラントがピリリとしたフルーティーな甘酸っぱさを、ラズベリーがほんのりウッディーなベリー感を絡めます。そして、ムスクが澄んだ清潔感なふれるパウダリーな甘さを、バージニアシダーがほんのりスパイシーで甘いウッディー感を、ベチバーがスモーキーで深みのあるウッディー感(木の香り)を添えます。



*バランスの良いフェミニンなローズが、フルーティーなベリーと共に広がります。

万人受けしやすい、綺麗に整えられたベリー風味のローズの香り。
「エクラドウアルページュ」や「マリー・ミー!(記事はこちら)」で有名なランバンらしい、フェミニンな華やかさに健康的な印象をプラスした、王道モテ系ローズ。

かなりしっかり薔薇らしさを感じることができ、ベリーはほんのりニュアンスだけを足している感じ。青さは全くなく、酸味も控えめ、甘さも程よい、シンプルなバラ香水です。

レッドカラントのフルーティー感とムスクのパウダリー感が、バラの力強いフローラル感をフワフワッと和らげているため、
ローズなんだけど華やか過ぎない、フェミニンで明るい香りに仕上がっています。

ベリーなんだけど可愛すぎない、お姉さんな印象です。

[持続性] ★★★☆☆ [拡散性] ★★★☆
[TPO] 春・夏・秋 / デイタイム・ナイトタイム

マルニ(ラズベリー&カシス:クールなスパイシー系)

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マルニ ローズ
* Marni Marni Rose *
香調:オリエンタル・フローラル <レディース>

ラズベリーやミント、ナッツが香る、スパイシーなローズ香水。
モダンで華やか、クールな印象です。

2013年発表

<トップ> ラズベリーのウッディーニュアンスな甘酸っぱさに、ブラックカラント(カシス)が独特のアンモニックでフルーティーなベリー感を絡める。そして、ナナミントが涼やかでペッパーなグリーン感を、ビター・アーモンドがジューシーで柔らかなナッツ感を、カルダモンがひんやりとした硬質で甘いスパイシー感を添えます。

<ミドル> ブルガリアンローズの艶やかでフルーティーな薔薇感と、ローズアブソリュ―トのほんのりスパイシーで甘美な薔薇感があふれ出し、バイオレット(ニオイスミレ)が茹でた人参と土を混ぜたような大地の香りのパウダリー感で深みを出します。

<ラスト> ホワイトムスクの清潔感あふれるパウダリー感がゆったり広がり、パチョリがハーバルなスパイシー感を、バニラが独特の華やかな甘さを、シダーがほんのりスパイシーでまったり甘いウッディー感(木の香り)を絡めます。


*涼やかでナッティーなベリー感が、力強く華やかなローズへと高まり、ゆっくりと、スパイシーで甘いムスクに落ち着きます。

薔薇満足度、ベリー感、スパイシー感、甘み、どれをとってもパーフェクトで完成度の高い香り。
個人的にはナッツが綺麗に出ているところがとても高ポイント。香り全体に独特のコクと「美味しい感」が出ており、嗅ぐとホクホク幸せな気分になれます。

全体のトーンとして艶やかでフルーティーなニュアンスをまとっており、薔薇の香りの系統としてはモダンでスパイシー、パッとした華やかさと重厚感があります。

ベリーが香る涼やかでスパイシー系のローズ香水をお探しならば、とてもオススメ。

[持続性] ★★★☆☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

トウス(ラズベリー:繊細で澄んだモダン系)

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トウス ローザ
* Tous Rosa *
香調:フローラル <レディース>

ラズベリーとルバーブが混じった、キラキラしたローズ香水。
繊細で澄んだ、とてもモダンな香りです。

2013年発表 * 調香師 Christine Nagel

<トップ> ルバーブのピリッとした爽やかな酸味があふれ出し、ベルガモットが上品で明るい、繊細なシトラス感(柑橘)を絡めます。

<ミドル> メイローズ(ローズドメイ)の繊細でほんのりスパイシーな薔薇感があふれ出し、ラズベリーがピッリリとしたウッディーニュアンスの混じった甘酸っぱさを、バイオレット(ニオイスミレ)が大地の香りのパウダリー感を添えます。

<ラスト> カシュメラン(合成ノート)の湿ったモダン・ムスキーなウッディー感があふれ出し、バニラが独特の華やかさを、ムスクが甘いパウダリー感を絡めます。


*ルバーブの爽やかな香りが、繊細で深みのあるローズへと高まり、ふんわりと、モダンなムスキーノートに落ち着きます。

繊細でキラキラした、モダンなローズ香水。
一筋縄ではいかない複雑なニュアンスを含んだ香りたちが、独特の明るさと爽やかさをバラに与えた、とてもロマンチックで現代的な香りです。

ジョーマローンの数々の香水を手掛けた調香師Christine Nagelらしい、シンプルかつ絶妙に組み合わされた、繊細で澄んだトーンが最大の魅力。

気負わずまとえ、サラリと肌に馴染んでくれる、使えば使うほど好きになるフレグランスです。

[持続性] ★★★★☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

ラペルラ インローザ(ラズベリー:モダンでフルーティーな美人さん)

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ラ ペルラ イン ローザ
* La Perla In Rosa *
香調:シプレ・フルーティー <レディース>

ポワブルロゼとラズベリーがモダンな、明るいローズ香水。
生き生きとした、美人さんな香りです。

2012年発表

<トップ> ピンクペッパー(ポワブルロゼ)のバラに似たモダンで軽やかな華やか感があふれ出し、ラズベリーがウッディーニュアンスの落ち着いた甘酸っぱさを、ペアー(西洋なし)がほんのりグリーンな洗練されたジューシー感を絡めます。

<ミドル> ローズ(薔薇)のフェミニンで煌くような華やかさがあふれ出し、シクラメンがミステリアスな甘いフローラル感を、バイオレット(ニオイスミレ)が茹でた人参と土を混ぜたような匂いのパウダリー感を添えます。

<ラスト> サンダルウッド(白檀)のオリエンタルでミルキーなウッディー感に、アンバーが温かみのあるセンシュアルなアニマル感を、パチョリがハーバルなスパイシー感を絡めます。


*モダンでロージーなラズベリーが、煌びやかなバラへと高まり、ふんわりと、スパイシーなムスクに落ち着きます。

現代的で軽やか、鮮やかでジューシーなフルーティー系ローズ香水。
全体を貫く落ち着いたトーンと、少女めいたフェミニン感に見え隠れする艶やかな横顔が美麗な、とても美人さんな香りです。

ラズベリーが良く効いていて、酸味や苦みは控えめ。
ラストはインドのお香のような優しい白檀の香りに、パチョリのスパイシー感が快活さや都会的な洗練をプラス。

そして何よりトップからミドルにかけての、パアアッと花開いていくような薔薇感の強まり方がテンションを上げてくれる、「生き生き感」が魅力の作品です。

[持続性] ★★★☆☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

ジャンヌアルテス スルタン(イチゴ系:若い子向けキュート)

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ジャンヌ・アルテス スルタン フェアリーローズ
* Jeanne Arthes Sultane Fairy Rose *
香調:フローラル・フルーティー <レディース>

プチプラながらも、フェミニンな華やかさとパウダリー感を兼ね備えた香り。
酸っぱ過ぎない、甘く優しいイチゴが魅力です。

<トップ> オレンジのジューシーなシトラス感がふわっと広がり、グリーンノートが草や葉っぱの清々しい青さを絡める。そして、ブラックティー(紅茶)が落ち着いた芳ばしさを、リリー・オブ・ザ・ヴァレイ(すずらん)が優しいグリーン・フローラル感を添えます。

<ミドル> ローズ(バラ)のロマンチックな華やかさがあふれ出し、ストロベリー(いちご)が天真爛漫でピュアな甘酸っぱさを絡める。そして、バイオレット(ニオイスミレ)が静かなパウダリー感を、ジャスミンがセンシュアルなフローラル感を、オレンジブロッサムが清潔感あふれるフレッシュ感を添えます。

<ラスト> ピリッとした独特の風味と蜂蜜のような濃厚な甘さの混じったブラックベリーの香りがゆったりと広がり、ホワイトムスクが上品なパウダリー感を、アンバーが甘くセンシュアルなアニマル感を、サンダルウッド(白檀)がミルキーなウッディー感(木の香り)を、シダーが深みのあるスパイシーなウッディー感を添えます。


*爽やかなグリーン系の香りが、ローズとイチゴの香りへと移り、ゆっくりと、甘くウッディーなブラックベリーへ落ち着きます。

ローズの華やかさにイチゴの優しい甘酸っぱさが絡んだ、キュートな香り。

トップのグリーン系は、ミドルのイチゴとローズがちょっとだけ最初は爽やかかな、という程度のニュアンスです。プチプラなので個々の香りのニュアンスはあまり感じられないのですが、酸っぱすぎない、可愛いベリー系の香りが持続します。

ローズは「フェミニンな華やかさ」を意図したフローラルといった感じで、全体を通したテイストは、パウダリー感で大人っぽさを演出した、キュートで華やかな若い子向けの香り、といった印象です。

[持続性] ★★★★★ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

ランコム トレゾアミッドナイトローズ(ラズベリー&カシス:小悪魔系・美女カッコイイ香り)

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ランコム トレゾア ミッドナイトローズ
* Lancome Tresor Midnight Rose *
香調:フローラル・ウッディー・ムスク <レディース>

ローズを軸に展開する、モダン&キュートな小悪魔系フレグランス。
ポワブルロゼを効果的に使った、美女カッコイイ香りです。

2011年発表

<トップ> ラズベリーのほんのりウッディーな落ち着いた甘酸っぱさがあふれ出し、ローズが贅沢でロマンチックな華やかさを絡めます。

<ミドル> カシス(ブラックカラント)のピリリとしたフルーティーな甘酸っぱさがあふれ出し、ピンクペッパー(ポワブルロゼ)が現代的で明るい、洗練されたローズのような香りを絡める。そして、ピオニーが甘酸っぱいフレッシュな華やかさを、ジャスミンが草の葉のようなセンシュアルなグリーン感を添え、全体に深みを出します。

<ラスト> バニラのとろけるような明るい甘さに、ムスクがふかふかとしたパウダリー感を、ヴァージニア・シダーがほんのりスパイシーでまったり甘い、情熱的なウッディー感(木の香り)を絡めます。


*>キュートなラズベリー&ローズが、モダンなカシス・ロージーノートへ高まり、ふんわりと、優しいバニラに落ち着きます。

女子的テンションが上がる、乙女心をくすぐる香り。
トップは王道なキュート系ベリー&ローズなのに、ミドルではツンとしたカシス系ロージーノートが広がるところがユニークで素敵。

ピンクペッパー(ポワブルロゼ)は「ペッパー」とついていますが辛みはなく、バラがらパウダリー感を抜いたような、モダンローズを更にシャープにしたような軽やかな質感が特徴で、メンズ香水やユニセックス香水に使われることも多い、薔薇っぽいのにバラじゃない、とてもかっこいい香りです。

Hair whip(どうしても良い日本語訳が見つからないのですが、海外のスーパーモデルさんなんかがよくやる、頭の向きを急に変えて髪をムチみたいにしならせる、あの仕草)を彷彿とさせるような、なんとも堪らなくキュンとする、ツンとした美女のような印象のフレグランスです。

[持続性] ★★★★☆ [拡散性] ★★★☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

ゲラン アクアアレゴリアフローラローサ(レッドベリー:春夏向けの万人受け石鹸系)

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ゲラン アクア アレゴリア フローラ ローサ
* Guerlain Aqua Allegoria Flora Rosa *
香調:フローラル <レディース>

平均のど真ん中を狙ってきたような、汎用性の高い香り。
春夏にぴったりの、爽やか石鹸系のベリー&ローズ香水です。

2013年発表 * 調香師 Thierry Wasser

<トップ> レッドベリーのピリッとした甘酸っぱさがあふれ出します。

<ミドル> ローズ(薔薇)の明るく爽やかな華やかさがあふれ出し、アイリス(ニオイアヤメ)が土のような匂いの柔らかなパウダリー感で深みを出します。

<ラスト> ムスクの清潔感あふれる甘いパウダリー感がゆったりと広がります。


*甘酸っぱいレッドべり―の香りが、爽やなローズへと高まり、サラッと甘いムスクに落ち着きます。

シンプルで爽やかな春夏向けのベリー&ローズ香水。
レッドベリーがかなりしっかり香り、バラは石鹸のようなフルーティー系統の曖昧なミックスです。

ゲランって期待して嗅ぐと、「ん?……普通やな。」
春夏用さっぱりローズとして実際に使用すると、「ええ仕事してますな~。」という、良くも悪くもフツウの香り。

といっても長時間香っていても邪魔に感じない、癖も嫌味もない「普通の香り」って案外難しいものなので、恐らくは酸味や華やかさや甘さ、パウダリー感などの出っ張った部分をゴリゴリ削って、レーダーチャート(クモの巣グラフ)にしたら中くらいの丸~いグラフになるように作ったような、平均のど真ん中を狙ってきたような香り、といった表現の方が「普通」よりも的確な印象です。

軽いトーンで使いやすい、万人受けする便利な一本です。

[持続性] ★★★☆☆ [拡散性] ★☆☆☆
[TPO] 春・夏 / デイタイム

ジバンシー ヴェリィイレジスティブル(ブラックベリー:シンプル系あっさり)

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ジバンシー ヴェリィ イレジスティブル ロー アン ローズ
* Givenchy Very Irresistible L`Eau en Rose *
香調:フローラル <レディース>

明るくシャープな、シンプル系フルーティーローズ香水。
コロンのように軽く、あっさりとした使い心地です。

2014年発表 * 調香師 Carlos Benaim

<トップ> ブラックベリーの蜂蜜の混じったようなリッチな甘酸っぱさが、ジューシーに広がります。

<ミドル> ローズ(薔薇)のバランスの良い、シャープであっさりとした華やかさがあふれ出します。

<ラスト> ムスクの優しいパウダリーな甘さがほんのり香ります。


*ホンワリした明るいローズの香りが、ベリーニュアンスと軽いパウダリー感で展開されます。

あっさりとした、明るくシャープなローズの香り。
シンプル編に分類しようかと思ったのですが、生花系や薔薇薔薇しい(?)ローズ香水に求められるような「薔薇やで!?薔薇やねんて!薔薇やかんな!」といったインパクトや重厚感はあまりなく、全体の印象としてベリー系ローズ香水のような、甘酸っぱいフルーティーな方向性を感じるので、こちらに分類しました。

シンプルで扱いやすい、軽い香りです。
香り方もとてもあっさりしているので、コロンのように気軽に使えるところが魅力。

[持続性] ★★☆☆☆ [拡散性] ★☆☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム

ジャンヌアルテス ギュペシルク(ブラックカラント:ガーリーで美味しそう)

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ジャンヌ・アルテス ギュペシルク ローズ
* Jeanne Arthes Guipure & Silk Rose *
香調:フローラル <レディース>

ガーリーで美味しそうな、フルーティーで華やかなローズ香水。
バニラ&ムスクの甘いラストも魅力です。

<トップ> ブラックカラントのピリリとした独特のベリー感に、レッドアップルがフレッシュで爽やかなフルーティー感を、マンダリンオレンジがジューシーなシトラス感を絡めます。

<ミドル> ローズのゴージャスなフローラル感があふれ出し、ピオニーが甘酸っぱいキュートな華やかさを添えます。

<ラスト> ムスクのセンシュアルなスウィート感がパウダリーに広がり、バニラが独特の明るい風味を絡めます。


*フルーティーなベリー感が、甘酸っぱいローズへと高まり、ラストは甘いムスクに落ち着きます。

バラ系のゴージャスな華やかさとムスクのパウダリー感が特徴の、ガーリーな香り。
「フルーツ!花!ムスク!」といった感じの、香水らしい香りの展開を見せつつも、青さやウッディー感、酸味などの複雑な要素を取り除いた、若い子にオススメのローズ香水です。

トップのフルーティーなベリー感が、キュートで美味しい印象です。

[持続性] ★★☆☆☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋 / デイタイム・ナイトタイム

     

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