赤ちゃんの匂い&ベビーパウダーの香りの香水15選

ピュアで甘いミルクのような、ふっくら柔らかい、健康的な肌の匂い。
愛情込めて抱っこしてくれた母の温もりや、赤ん坊だった頃の幸福な感覚を呼び起こす、優しくて清潔な、記憶の中の幻の匂い。

「ベビーパウダーの香り」は、そんな究極の癒しと安心感を追い求めた、パフューマー達からの贈り物です。

あなたの心の琴線に触れる「赤ちゃん」の匂いは、どんな香りですか?

クロエ ラブ(幻想的な超絶パウダリー)

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クロエ ラブ
* Chloe Love *
香調:フローラル・ウッディ・ムスク <レディース>

清らかでピュア。
切なくなるほど優しい香りです。

2010年発表 * 調香師 Louise Turner, Nathalie Gracia-Cetto

<トップ> オレンジブロッサムのクリーンでフレッシュな甘いフローラル感に、ピンクペッパー(ポワブルロゼ)がローズニュアンスのモダンで明るい華やかさを絡めます。

<ミドル> アイリス(ニオイアヤメ)の茹でた人参と土を混ぜたような優しいパウダリー感がゆったりと広がり、ライラック(紫丁香花)がジャスミンにも似た涼やかな甘さを、ヒヤシンスがオイリーでとろけるような深いグリーン感を絡める。そして、ヘリオトロープがナッツ風味のバニラのような淡く霞んだ甘さを、ウィステリア(藤の花)がほんのりスパイシーな華やかさを添えます。

<ラスト> タルク(パウダリー系ミックスノート)の繊細で温かみのあるパウダリー感がふんわり広がり、ムスクが清潔感あふれる澄んだ甘さを、ライス(長粒種の香り米をイメージしたファンタジーノート)が大地を感じさせるナッツ風味のふっくらとしたセンシュアル感を絡めます。


*モダンなローズ系の香りが、グリーンフローラルに支えられたアイリスへと高まり、ゆっくりと、温かみのある優しいパウダリーノートに溶けていきます。

「ベビーパウダー」という言葉が象徴するありとあらゆるイメージを詰め込んだ、安心感と清潔感に満ちた香り。
ユートピアが「どこにもない理想郷」であるように、このクロエラブは「どこにもない幻のベビーパウダー」。

重くもなく軽くもない、淡くてふわふわしたパウダリー感に、人肌を感じさせるのだけれど決してアニマリックでなない「ライス」の絶妙なセンシュアル感。そして本能的な安心感を与えてくれる、清らかで優しいグリーンフローラルのニュアンスが最高です。

ピュアで清潔、幻想的な、パウダリー香水の傑作です。

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[持続性] ★★★★☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

ゲラン アンソレンス(赤ちゃんの匂い)

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ゲラン アンソレンス
* Guerlain Insolence *
香調:フローラル・フルーティー <レディース>

ピュアで健康的。
安心感に満ちた、「幸福な赤ちゃん」の香りです。

2006年発表 * 調香師 Maurice Roucel, Sylvaine Delacourte

<中心> バイオレット(ニオイスミレ)の茹でた人参と土を混ぜたような、大地を感じさせるパウダリー感を中心に、以下のパートが現れては消えます。

<フルーティーパート> ラズベリーのほんのりウッディーな落ち着いた甘酸っぱさに、レッドベリー(ベリー類のミックス)がバランスの良い酸味や甘み、明るさを足します。

<フローラルパート> ローズのフェミニンでロマンチックな香りに、オレンジブロッサムがクリーンでフレッシュな華やかさを絡めます。

<スウィートパート> アイリス(ニオイアヤメ)の土の匂いの静かなパウダリー感に、トンカビーンがバニラに杏仁を混ぜたような繊細な芳ばしさを、レジン(樹脂)が爽やかで温かみのある甘さを、サンダルウッド(白檀)がミルキーなウッディー感(木の香り)を絡めます。


*バイオレットのパウダリーな香りを軸に、ラズベリーやローズ、濃厚で甘いアイリスが次々と香ります。

従来のトップ、ミドル、ラストといったピラミッド構造ではなく、「螺旋構造」で組み立てられた、万華鏡のようにくるくると表情を変える香水。

ベビーパウダーのふっくらとした清潔感の中に、赤ちゃんのモチモチした肌の甘い匂いや、健康な生き物の発する甘酸っぱい匂いが入り混じったような、なんとも安心感のある香りです。

パウダリーといっても人工的なふわふわした雰囲気ではなく、もっとズシッとして肌理の細かい、バイオレットの花のニュアンスを大切にした静かな雰囲気。

ラズベリーがしっかり香りますが、ベリー系香水にありがちな「ガーリーな印象のための、甘いゼリーに酸味を一滴おとしたような感じ」ではなく、生のラズベリーを口に入れた瞬間の、あの「パッと意識を持っていかれる鮮やかで原始的な甘酸っぱい感じ」がする、ピュアでシャープな香り。

ゲランは初めてという方や、お若い方、シーンを問わず使える「自分の香り」をお探しの方にもおすすめ。安心感と気品にみちた、ピュアで完成度の高い作品です。

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[持続性] ★★★☆☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

ダナキャラン カシミアミスト(ヌーディーで官能的)

CashmereMist
ダナ キャラン カシミア ミスト
* Cashmere Mist Donna Karan *
香調:オリエンタル・ウッディ <レディース>

ヌーディーでさり気ない。
万人受けする「いい女」な香りです。

1994年発表

<トップ> ベルガモットの苦くて酸味のきいた、明るいシトラス感が広がります。

<ミドル> スウェード(子牛やヤギを使ったソフトな革の香り)のアニマリックな刺激とセンシュアル感があふれ出し、モロカン・ジャスミンが草の葉のような爽やかなグリーン感を、リリーオブザバレー(すずらん)が清潔感あふれる明るい華やかさを添えます。

<ラスト> カシミアウッド(カシュメラン/合成香料)のモダンで湿り気のあるムスキー&ウッディーニュアンスがいっぱいに広がり、ムスクが甘いパウダリー感を、サンダルウッド(白檀)がミルキーでオリエンタルな木の香りを絡める。そこに、バニラが愛らしい明るさを、アンバーが温かみのある甘いアニマル感を添えて、全体に色みを与えます。


*上品なベルガモットが、グリーンフローラルに支えられたスウェードの香りへと高まり、ゆっくりと、濃厚なカシミアウッドへ溶けていきます。

ほんのり汗ばんだ肌から立ち昇ったような、しっとりとしたパウダリー感と媚びないアニマル感が、この上なく官能的な香り。

甘さは控えめ。パウダリーといっても重さやクラシック感はなく、すっと肌に溶け込んでいくような、淡く滑らかな石鹸以上ベビーパウダー未満な質感。それを明るさや清らかさ、フェミニンさを感じさせるグリーンフローラルでそっと支えた感じ。

「シャワーを浴びたばかりの美女の、体温が2,3度上がった瞬間」の、クラッとするような官能と、優しい清潔感が混じり合った香りです。

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[持続性] ★★★★☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

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トウス ベイビー(シトラス系ムスク)

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トウス ベイビー
* Tous Baby *
香調:フローラル <ユニセックス>

淡くて静か。
そよ風のように優しい香りです。

2007年発表 * 調香師 Shyamala Maisondieu, Michel Girard

<トップ> マンダリンオレンジのジューシーで甘い香りに、ベルガモットがアロマティックでフルーティーなニュアンスを、ネロリ(ビターオレンジの花から採れる精油)がシトラス風味の明るいフローラル感を絡めます。

<ミドル> オレンジブロッサムの清潔感あふれるフレッシュな華やかさがあふれ出し、アップル(りんご)が爽やかな、ペアー(西洋梨)がほんのりグリーンな柔らかいフルーツ感を絡め、ローズ(ばら)が優雅なフローラル感で深みを出します。

<ラスト> ムスクのパウダリーな甘さがゆったりと広がり、プチグレイン(ビターオレンジの葉と枝から採れる精油)がシトラスニュアンスの爽やかでグリーンなウッディー感を、シダーがほんのりスパイシーでまったり甘い木の香りを絡めます。


*柔らかなオレンジの香りが、フルーティーなオレンジブロッサムへと華やぎ、ふんわりと、ウッディーなムスクへ落ち着きます。

香りの系統としては、「プチサンボン」や「バーバリー ベビータッチ」にかなり近い感じ。
プチサンボンとベビータッチのシトラス感をまろやかなフルーティー仕立てにして、ムスクを効かせた香りです。

「赤ちゃんのための香水」なだけあって、柔らかくあっさりした、香水に慣れていない方でも親しみ易い雰囲気にまとまっている一方、ウッディーなニュアンスも上手く混ざっていて、全体としてとても落ち着いた、静かな香りに仕上がっています。

この「べビーパウダーの香水まとめ」のラインナップは、主に「大人のためのファンタジックな“ベビー”の香り」で構成されていますが、この香水は「赤ちゃんと周囲が快適に過ごすための実用的な香り」といった趣きです。

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[持続性] ★★★☆☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋 / デイタイム

ケンゾー フラワーバイケンゾー(素直な石鹸系ムスク)

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ケンゾー フラワーバイケンゾー
* Flower by Kenzo *
香調:オリエンタル・フローラル <レディース>

シンプルで和風。
癖のない、万人受けしやすい香りです。

2000年発表 * 調香師 Alberto Morillas

<トップ> ブルガリアン・ローズのフルーティーで艶やかな香りがあふれ出し、バイオレット(ニオイスミレ)が大地の香りのパウダリー感を絡める。そして、ジャスミンが草の葉に似たセンシュアルなグリーン感を、ワイルド・ホーソン(西洋サンザシ)が温かみのある曖昧な甘さを添えます。

<ミドル> ホワイトムスクの清潔感あふれるパウダリー感がいっぱいに広がり、バニラがピュアな明るさを、オポポナックス(スウィートミルラ)がエキゾチックな甘い樹脂の香りを絡めます。

<ラスト> シクロサルとへディオン(ジャスミンの香りに似た化合物)の軽やかで明るいグリーンフローラルの香りに、マンダリンがジューシーで甘いシトラス感を絡めます。


*パウダリーなローズが、センシュアルなムスクへと華やぎ、ゆっくりと、明るいグリーンフローラルに落ち着きます。

とても素直な香り。ローズ&ムスクを少しだけ複雑にしたような、新しくも古くもない、親しみのある香り。ラストも軽いフローラルなので、ヘビーな香水は苦手という方にも使いやすいです。

「アルデヒドっぽい」とも言われる温かみのある脂ニュアンスは、実際はホーソン(西洋サンザシ)の香りなので、アルデヒド特有のモワット感を避けたい方にも最適。

和光堂のシッカロールなど、日本製ベビーパウダーの香りのイメージに近いです。

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[持続性] ★★★★☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

フィロソフィー ベビーグレイス(癒し系ミモザの香り)

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フィロソフィー ベビーグレイス
* Philosophy Baby Grace *
香調:フローラル <レディース>

デリケートで甘やか。
心をぎゅっと抱きしめてくれる香りです。

<シングル> ミモザの霞がかったような淡い甘さにナッツの芳ばしさを一滴加えたような香りがあふれ出し、ムスクが清らかでまろやかなパウダリー感を絡める。そこに、ホワイトウッドが静かでクリーミーなウッディー感を、グリーンアコードがそよ風のように優しい草や葉の鮮やかさを、ペッパーが温かみのある硬質な輝きを添えます。


*クリーミーで甘い、落ち着いたフローラル系ムスク。

フィロソフィーらしい、ダイヤモンドのように硬質で洗練された香りの奥に潜む、繊細で優しい表情がたまらない香り。
ミモザのキラキラ感を磨りガラスの中に閉じ込めたような、陽の光のように眩いのに触れれば消えてしまいそうな、夢心地な儚さが素敵です。

ベビーパウダーの香りというにはエアリーに霞んでいて、石鹸の香りというにはデリケートすぎ、洗い立ての衣類の香りというには静かすぎる。

究極に癒し系の、イノセントで淡い香りです。

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[持続性] ★★★☆☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

ロリータレンピカ ローアンブラン(おとぎの国の妖精の粉)

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ロリータ レンピカ ローアンブラン
* Lolita Lempicka L’Eau en Blanc *
香調:フローラル・フルーティー <レディース>

甘酸っぱくてミステリアス。
凄まじくパウダリーです。

2012年発表 * 調香師 Annick Menardo

<トップ> アイリス(ニオイアヤメ)の深みのあるアーシーなパウダリー感があふれ出し、バイオレットリーフがメタリックでモダンなグリーン感を絡めます。

<ミドル> バイオレット(ニオイスミレ)の静かで濃厚なパウダリー感に、チェリーがフルーティーな甘酸っぱさを、ラズベリーがウッディーニュアンスの落ち着いたベリー感を、リコリスがスッと鼻に抜けるほろ苦い甘さを絡めます。

<ラスト> ムスクの清潔感あふれる澄んだパウダリー感がゆったりと広がり、ヘリオトロープがバニラにほんのりアーモンドを足したような曖昧な甘さを、トンカビーンが杏仁や桃の葉を混ぜたような繊細な芳ばしさを、ベチバーがスモーキーで力強いウッディー感(木の香り)を絡めます。


*グリーンなアイリスが、甘酸っぱいバイオレットへと高まり、ふんわりと、複雑なムスクへとろけていきます。

これでもかというくらい、凄まじくパウダリー。
オリジナルのロリータレンピカが、時速1000kmで積雲に突っ込んでいったような香りです。

チェリー&ラズベリーの甘酸っぱさも効いていて、今回ラインナップしたパウダリー香水の中でも特にガーリー。それでいて、レンピカらしい陰鬱さが煙に巻かれて気だるさにスライドしたような、くすくす笑いが聞こえてきそうな絶妙なテンションが素敵。ティンカーベルの妖精の粉って、こんな香りがしそう。

まとえば空も飛べそうです。

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[持続性] ★★★☆☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

資生堂 琴(昭和レトロ・クラシカルで和風)

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資生堂 琴
* Shiseido Koto *
香調:シプレ・フローラル <レディース>

静かでストイック。
着物が似合う、古き良き「日本のお母さん」の香りです。

1967年発表

<トップ> アルデヒドの暖かな脂の匂いがストレートに広がり、シトラス(柑橘ミックス)が仄かな酸味を、ハーブ&グリーンノートが爽やかな明るさを添え、スパイスがホットな辛みで全体を緩く引き締めます。

<ミドル> オリスルートのほのかに苦いしっとりとしたパウダリー感に包まれて、ガーデニア(くちなし)が旨味のある甘さを、ナルキッソス(水仙)とジャスミンとリリーオブザバレーがグリーンニュアンスのセンシュアルな華やかさを、ローズ(薔薇)が女性らしいロマンチックさを輝かせます。

<ラスト> モスのインクにも似た苔むした苦みのある香りに、ベチバーがスモーキーなウッディー感(木の香り)を、レザー(革)とカストリウム(ビーバーから採れる香料で、ここではおそらく合成のもの)が乾いた力強いアニマル感を絡める。そこに、アンバーがオリエンタルで豪奢な甘みを、パチョリがスパイシーなハーバル感を添えます。


*アルデヒドの香りが、静かなパウダリー&ホワイトフローラルへと高まり、ゆっくりと、アニマル感あふれるウッディーに落ち着きます。

ザ・昭和な和風おしろい。
全体を覆う静けさや、肌理の細かいしっとり重いパウダリー感が、とても日本的です。

また、革をはじめとするアニマリックな気配がかなり効いていて、なんともアダルティー。
お琴やお茶の先生のような、あの厳しい上下関係や礼や作法をそのビシッと伸びた背筋と息をもひそめるような沈黙で強いてくるような、厳格な、ストイックな趣があります。

畳の揃った目や艶々に磨かれた木の板が脳裏にチラつく、日本の美を感じられる香りです。

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[持続性] ★★★☆☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム

ラルチザンパフューム ボアファリヌ(パンの匂い)

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ラルチザン パフューム ボア ファリヌ
* L`Artisan Parfumeur Bois Farine *
香調:フローラル・ウッディ・ムスク <ユニセックス>

ふっくら温かい。
生のパン生地のような香りです。

2003年発表 * 調香師 Jean-Claude Ellena

<トップ> フェンネルシードとアニスシードの、スッと鼻に抜けるハーバルな甘さが広がります。

<ミドル> アイリス(ニオイアヤメ)の茹でた人参と土を混ぜたような大地の香りのパウダリー感があふれ出し、アンブレット(ムスクマロウ/植物由来)がほんのりメタリックなムスクの甘みを、ウィート(小麦)がふっくらとして温かみのあるナッツ風味の穀物の香りを絡めます。

<ラスト> ガイアックウッド(グアヤクウッド)のエキゾチックでスモーキーな木の香りに、サンダルウッド(白檀)がミルキーで柔らかな落ち着いた甘みを、ウッディーノート(パチョリやベチバー等、草や木の複合ノート)が深みのある森の大地の苦みや青さを、ベンゾイン(安息香)が温かみのあるバニラニュアンスの繊細なバルサム(樹脂)の甘さを絡めます。


*ハーバルな甘い香りが、パウダリーな小麦とムスクの香りへと膨らみ、ゆっくりと、深みのあるまろいウッディー感に落ち着きます。

パン生地のようなしっとりとした穀物の香りがたまらない、パウダリーで落ち着いた香り。

グルマンのようなお菓子系の(というには幾分ナチュラルな)温かくて美味しい感じがふわふわと漂う中、クリーミーで甘いウッディー感がそよそよ低くたゆたっているような、なんともヌーディーでノスタルジックな作品。

幼児の頃の自分の体臭に包まれているような、とても不思議な「記憶の匂い」がします。

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[持続性] ★★★☆☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

ブルガリ プチママン(ハーバル系)

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ブルガリ プチママン
* Bvlgari Petits et Mamans *
香調:フローラル・ウッディ・ムスク <レディース>

甘くてふわふわ。
素朴なパウダリー香水です。

1997年発表 * 調香師 Nathalie Lorson

<トップ> オレンジの甘くてまろい香りに、ベルガモットがほんのり苦い軽やかなシトラスニュアンスを、ローズウッドがフローラル調の明るいウッデイー感を絡めます。

<ミドル> カモミールのリンゴ風味の爽やかなハーバル感に、サンフラワー(ひまわり)が干し草にも似た甘くて乾いたニュアンスを、ローズ(バラ)が優しいフローラル感を添えます。

<ラスト> パウダリーノートでブーストしたアイリス(ニオイアヤメ)の大地の香りの静かな澱粉感がゆったりと広がり、バニラが涼やかな甘さを、ピーチがもったりとした柔らかなフルーティー感を添えます。


*軽いシトラスの香りが、ハーブ系の淡くてすっきりとした香りへと移り、ふんわりと、甘いパウダリー感に落ち着きます。

ザ・ベビーパウダー。
「なになにの香りがする」というよりも、まさに「ハーバルニュアンスの明るい澱粉の香り」としか言いようのない感じ。ジョンソン&ジョンソンのベビーパウダーに似た系統ですが、ベビーパウダーそのものの香りというよりも、ローションなどのケア用品系のさっぱりしたニュアンスが前に出ている感じ。

「トウス ベビー」と同じく、「実際に赤ちゃんに使って快適に過ごす」系の実用的な香りです。

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[持続性] ★★★☆☆ [拡散性] ★☆☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム

オンブル ローズ オリジナル(化粧台系ローズ)

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ジャン シャルル ブロッソ オンブル ローズ オリジナル
* Jean Charles Brosseau Ombre Rose L’Original *
香調:フローラル <レディース>

フェミニンで華やか。
「お姉さんのお化粧パウダー」の香り。

1981年発表・2001年復刻 * 調香師 Francoise Caron

<トップ> ブラジリアンローズウッドの明るいフローラル調を含んだウッディー感(木の香り)がゆったりと広がり、ゼラニウムがレモン風味のハーバルな薔薇ニュアンスを、ピーチ(桃)が淡くジューシーなフルーティー感を添えて、香りに奥行きと柔らかさを出します。

<ミドル> ローズ(ばら)のフェミニンな華やかさに、イランイランがバナナトーンの甘いエキゾチック感を、リリーオブザバレー(すずらん)が爽やかなグリーンニュアンスを添える。そこに、オリスルートが大地を感じさせる微かに苦いパウダリー感を、サンダルウッド(白檀)とシダーが甘くソフトな、ベチバーが静かで乾いたウッディ感を絡めます。

<ラスト> アイリス(ニオイアヤメ)の茹でた人参と土を混ぜたような深みのある澱粉感に、ムスクがピュアなパウダリー感を、ヘリオトロープがアーモンド風味の霞がかったような甘さを絡める。そして、ハニー(蜂蜜)がほんのり花粉の辛味を含んだ滑らかな甘みを、トンカビーンとバニラが桜の葉や杏仁を混ぜたような繊細な芳ばしさを、シナモンが優しいほろ苦さを添えます。


*柔らかいローズウッドの香りが、パウダリーなフローラルノートへと高まり、ゆっくりと、甘いパウダリー感に溶けていきます。

クラシカルな趣の、フェミニン系。
お母さんやお姉さんの化粧台を彷彿とさせる、この『ベビーパウダー香水16選』の中でも特に華やかでフローラルな香り。薔薇をけっこう感じます。

赤ちゃんの頃、というよりはもう少し大きくなった少女時代。叔母や姉が鏡台に向かう後ろ姿を眺めているときの、あの初めて「女の顔」を垣間見た不思議な感覚(一般的には「憧れ」を抱くのだそうな)、を思い出す香りです。

この『オンブルローズ』によく似た香りに『ダナ ルーテス』という香水があるのですが、そちらはアルデヒドが入った、もうちょっと円やかで甘酸っぱい、ピオニーやヘリオトロープの効いた香りです。『オンブルローズオリジナル』を幼い少女がはじめて出逢った「女の顔の香り」とするなら、『ルーテス』はもう少し前の母と子の時間の香り。人肌っぽい色気はあるのに女の顔は内側にしまってある、落ち着きと安心感があります。

ところで化粧をしている最中の、鏡をのぞき込んで自分の顔を見つめている時の女性の顔って、何であんなに素敵なんでしょう?私は昔から母や、成長してからは友達が化粧をしているときの横顔を見るのが大好きなのですが、男性が鏡を見ながら身支度を整えているときの表情とは全く違う、あの何とも愛らしく目が輝くのが、とても魅力的で、どこか切なくて、すごく不思議な気持ちになります。

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[持続性] ★★★★☆ [拡散性] ★★★☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

ゲラン オード シャリマー(愛と母性の香り)

shalimar
ゲラン オード シャリマー
* Guerlain Eau de Shalimar *
香調:オリエンタル・バニラ <レディース>

モダンなのにクラシカル。
母性的なシトラス系バニラの香りです。

2008年発表

<トップ> ライムのエアリーでシャープな酸味があふれだし、ベルガモットが上品な苦みと明るさを、オレンジが甘いジューシー感を絡めます。

<ミドル> ジャスミンとローズのフェミニンな華やかさが、バニラに包まれてそっと広がります。

<ラスト> バニラのとろけるような美味しい香りがあふれ出し、アイリス(ニオイアヤメ)が茹でた人参と土を混ぜたようなほっこりしたパウダリー感を、レジンがすっきりとした樹脂の爽やかな甘みを絡めます。


*酸味の効いたシトラスが、フェミニンなフローラルミックスへと華やぎ、ゆったりと、深みのあるバニラの中にとろけていきます。

オリジナルの「シャリマー」のレザーやお香、動物性香料などをズバッと抜いて、シトラスとバニラを効かせライトに仕上げた香り。トップが飛んだあたりからグワーッとくるバニラ特有の愛くるしい甘さが、やみつきになります。

シャリマーが男女の狂おしい「愛の殿堂」ならば、この「オーデシャリマー」は穏やかな「親の愛、母性」といった趣き。

仕上がりの美しさ、複雑さはひとくちに「シトラス系バニラ」と表現してしまうことが憚られるほどですが、ゲランらしい繊細な表情を持ちつつカジュアルさにグッと舵を切った香りとしては、「ベビーパウダー系のゲラン・バニラ」と親しみを込めて呼びたいところ。

クラシカル香水のニュアンスを内に秘めつつ、モダンなテイストを前面に押し出した、日常使いしやすいゲラン香水です。

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[持続性] ★★★☆☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

ジョルジオアルマーニ センシ(生まれたての匂い)

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ジョルジオ アルマーニ センシ
* Giorgio Armani Sensi *
香調:オリエンタル・ウッディ <レディース>

クリーミーで、ふくよか。
真っ新なのに懐かしい、命の匂いです。

2002年発表 * 調香師 Alberto Morillas, Harry Fremont

<トップ> アカシアのホワイトフローラルに蜂蜜を混ぜたような清潔感あふれる華やかさがゆったり広がり、ケフィア・ライムがエアリーで明るい酸味を添えます。

<ミドル> バーレイ(大麦)のふっくらとした穀物の甘さにナッツの風味を足したような香りがあふれ出し、ジャスミンが草の葉にも似たセンシュアルなグリーン感を添えます。

<ラスト> ベンゾイン(安息香)の樹脂にバニラを混ぜ込んだような温かみのある甘さに、ローズウッドが薔薇ニュアンスを含んだ明るいウッディー感(木の香り)を絡めます。


*アカシアの明るいフローラル感が、大麦のふくよかでセンシュアルな香りへと高まり、ゆっくりと、甘いローズウッドへ落ち着きます。

パウダリーでは全くないのですが、とても「生まれたて」の生き物の匂いがします。
ふくよかで、甘くて、清らか。本能的な安心感と人肌への欲求、幸福感をかきたてる香りです。

個人的には、生まれたての子犬から獣っぽさとほろ苦さを抜いた匂いにそっくり。
まだ目の開いて間もない頃の、あのミルクオートミールに蜂蜜やナッツを混ぜたような、なんとも言えない美味しそうで愛くるしい香りです。

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[持続性] ★★★★☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

ダナ ラブズ ベビーソフト(美少女の匂い)

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ダナ ラブズ ベビーソフト
* Dana Love’s Baby Soft *
香調:フローラル <レディース>

ソフトで甘やか。
“無邪気”の皮を被った、女を主張する香りです。

1974年発表

<シングル> ムスクとバニラの甘く無邪気なパウダリー感に包まれて、ラベンダーが清潔感あふれる爽やかなハーバル感を広げる。そしてその石鹸のような香りの中で息をひそめる様にして、ローズとゼラニウムがフェミニンな甘い香りを、ジャスミンが草の葉にも似たセンシュアルな華やかさを、パチョリがオリエンタルなスパイシー感をくゆらせます。


*清らかなハーバル感とセクシーな華やかさが、甘いベビーパウダーの中でせめぎ合っている香り。

“Because innocent is sexier than you think”(だって無邪気さや純真さは、あなたが思うよりもみだらなのよ)という挑発的なキャッチコピーで売り出された、『子供の匂い』がテーマの香水。(直球すぎる…!)

ムスクやバニラのピュアさの中にラベンダーといった清潔な、しかしこれもそういう穿った見方をするならば、教会の裏庭でシスター達が薬草として育てているような「ストイックで処女性を連想させるハーブの香り」で表面的な少女の清らかさを演出しつつ、ローズやジャスミンといった“大人の女性”の香り(ここでは異性を誘惑する花の香の意味)を必要以上にアピールした香りです。

『禁じられた遊び』の危うい描写から、『ロリータ』や『エコール』のような願望的で自虐的な性質へと盛大にダイブしてしまったような、ある意味身も蓋もない、それでいて、言いたいことは分からないでもないけれど、ロリータ作品的な小説や映画の根底にある、あのペッタリとした男性の視線や訳知り顔でこちらを盗み見る大人の女性たちの意地悪な笑みがどうにも脳裏にチラつく、何とも言えない趣でもあります。

普通に「パウダリー系のラベンダー&ローズやジャスミンの香り」として嗅げばとてもソフトで良い香りなのですが、こと「Babyな香り」というこの香水のテーマを重視すると、やたら華やかでスパイシー、そして何故かラベンダーが骨太な印象。

少女時代を「みんなに愛され守られていた頃」といった肯定的な感覚と共に思い出すか、「二度と経験したくない不安定な思春期」といったネガティブな感覚と共に思い出すかで、受け取り方が両極端になる香り。とりあえずこのボトルデザインとネーミングが受け入れられるならば、前者でしょう。その場合は「あの世界が自分中心に回っているような無敵の少女時代」を楽しめます。後者ならば、「怒れる少女時代」へとバッドトリップできます。

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[持続性] ★★★☆☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

ディメーター ベビーパウダー(ジョンソン&ジョンソンの香り)

demeter
ディメーター ベビーパウダー
* Demeter Fragrance Baby Powder *
香調:フローラル <レディース>

クラシカルで重め。
そのまんま、ジョンソン&ジョンソンのベビーパウダーの香り。

<シングル> パウダリーノートのガッツリとした白粉の香りがあふれ出し、ムスクがモフモフした甘さを、フラワーノートが何とも言えない曖昧な華やかさを添えます。

ジョンソン&ジョンソンのベビーパウダーを濃縮して、何か一滴クラシカルなオリエンタル感を混ぜたような香り。

良くも悪くも合成チックな匂いですが、ある意味それも忠実にジョンソン&ジョンソンを模しているともいえます。「香りの図書館」とも呼ばれるディーメーターらしい、再現性に優れた香り。

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[持続性] ★★☆☆☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

記憶の中の、理想の香り

いかがでしたか?

「赤ちゃんの匂い・母の匂い・ベビーパウダーの香り」といったテーマは、日本のみならず欧米の人々、そしてパフューマーまでもが追い求める、「あの頃」の幸福感や、究極の安心感の模索ともいえます。

今回ラインナップしたものは大きく分けて3つの方向性があり、

1つめは、理想を追い求めた「赤ちゃんや母の香り」。
2つめは、写実的に記憶の中の風景と感覚を描いた「あの頃の香り」。
3つめは、実際の赤ちゃんに向き合った「ベビーのための心地よい香り」。

フローラルなものからオリエンタルなものまで、その表情は様々ですが、
どれも「香りの芸術としての香水」の魅力が詰まった作品たちです。

嗅覚は五感の中でも最も記憶との結びつきが強く、心への作用もダイレクト。

一人でも多くの方が「心にピタッとくる香り」に出会い、香水のもつ癒しや感動、パワーや可能性を感じていただければ幸いです。

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