香りの音階『香階』とは?シャネルNo5を音楽で体験しよう!

ピエスの「香りの音階」にそって、「シャネルNo5」を曲にしました。(ピアノソロです)
香水の香りを、音のハーモニーでご体感いただけます。

香りの音?「香階」とは?

むかしむかし、調香師であり化学者でもあったピエス(George William Septimus Piesse)が、1857年に出版した彼の著作「The Art of Perfumery」の中で、46種類の香料を音程に当てはめる「香階」という画期的な試みを発表しました。以下がそのスケール。

Taop
参考:The Art of Perfumery (1857)

(画像内で文字の前についている大文字の「C,D,E……」というのは、ドイツ語で「ド,レ,ミ……」(音階)のことです。ちなみに「ドレミファソラシド」はイタリア語、日本語では「はにほへといろは」で読みます。ト長調(日本語)なら、G-dur(独)、G major(英)、Sol maggiore(伊)という感じ)
(C:チェー、D:デー、E:エー、F:エフ、G:ゲー、A:アー、H:ハー、とよみます)

具体的には香料の揮発性に応じて、ライトなものからヘビーなものを順に並べて、それをそのまま音階(スケール)に当てはめたもののようです。

オクターブ(高さ違いの同じ性質の音)毎に香りが調和するように工夫されているのだそうで、イメージしやすいものを抜粋すると、

「ド(C)」パチュリ・サンダルウッド・ゼラニウム・ローズ・ジャスミン⇒(王道のフローラル香水の香り)
「レ(D)」バニラ・ヘリオトロープ・アーモンド⇒(ナッツ系の甘い香り)
「ファ(F)」カストリウム・ムスク・アンバー⇒(動物由来のセンシュアルな香り)
「シ(H)」クローブ・カーネーション・シナモン・スペアミント・ペパーミント⇒(辛みや苦み、刺激のある香り)

の4つのグループが特徴的。

シャネル5番で曲をつくる

☆一分弱のピアノソロ小曲です。お楽しみいただけましたら幸いです。

実際のシャネル5番の調香は、

<トップ>アルデヒド、レモン、オレンジブロッサム、イランイラン、ベルガモット、ネロリ
<ミドル>アイリス、ジャスミン、リリーオブザバレー、ローズ、オリス
<ラスト>アンバー、バニラ、パチョリ、ベチバー、サンダルウッド

などの多数の素材で成り立っているのですが、この中でピエスの音階にあるものはたったの9音!

chanel5art
(該当の9音を抜粋しました。青文字がトップノート、赤がミドル、緑がラストの素材です)

低いものから並べると、「ド、レ、ド、ミ、ド、ソ、ド、レ、ファ」。
曲をつくるには、めっちゃ少ないです。

メロディーラインだけ音階に沿って他は和声で補おうかとも思ったのですが、実際に始めてみると、それではハーモニーの解釈の余地がありすぎることに気づいたので、
完全にピエスの音階にそって、真面目に9音だけで曲(というか流れとハーモニーの連なり)に挑戦しました。

シャネル5番のメインでもあるアルデヒドや、セクシーな方向性を際立たせているイランイランが音階にはなかったりするのですが、アルデヒドは「ファ(アンバー)」の音のニュアンス(温かみのあるセンシュアルで甘い香り)、イランイランはジャスミンと似たところのある香りなので「ド(ジャスミン)」の音のニュアンス(王道フローラル)に含めて、多めに使用。

また、「なんかモチーフがいるな!」と思ったので、
ココ・シャネルと、5番を象徴づけたマリリン・モンローに共通する、「孤独な幼少期」、「奔放で自立した女性の、優雅で自信に満ちた姿」、そして、輝かしい成功の後にも度々彼女たちのテーマとなった「愛を求める心」に焦点をあてました。

冒頭の「そそそ・れーれーれ」(オレンジブロッサム&ベルガモットのシトラス系フローラルノート)の反復は、モールス信号で「SOS」を表す「短短短・長長長・短短短」のリズムを模しました。

曲の流れは「トップの香りの音→トップにミドルが混ざり出し、時折ベースノート(ラスト)が主張してくる→ミドルの香りを中心にトップの名残とベースが段々きいてくる→ベースの香りを中心に、ミドルのニュアンス(和音の補助)が混じり合ってエンド」という感じです。

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