牛乳(バニラミルク)の香り&乳臭い匂いになれる香水15選

人間になりたいマシュマロの見る、乳白色の夢。

直接「ミルクの匂い」をテーマにしたグルマン香水と、
男性がいうところの「女の肌の乳臭いような匂い」を思わせる、ミルキーなオリエンタル・バニラの香水を厳選しました。

ノスタルジックな牛乳の香りに癒されるも良し、
体臭にミルクっぽさをプラスして、本命の彼をドキドキさせるも良し。

香水ならではの、奥深い「匂いの世界」を感じてみてください。

イヴサンローラン シネマ


『イヴサンローラン シネマ』
* Yves Saint Laurent Cinema *
香調:オリエンタル・フローラル <レディース>

甘いシトラスが意味深長。
完成度の高い、洗練された「ほんわりバニラ」です。

2004年発表 * 調香師 Jacques Cavallier

<トップ> コルシカ産クレメンタイン(マンダリンオレンジの一種)の甘みの強いシトラス感がジューシーに広がり、アーモンドツリー・ブロッサムが仄かにナッツ風味の混じった曖昧な甘さを、シクラメンが清潔感あふれる明るい華やかさを絡めます。

<ミドル> サンバック・ジャスミンのきらきらしたグリーン調のフローラル感がふんわりと広がり、アマリリスが桃や薔薇を混ぜたようなフルーティー調の華やかさを、ピオニーがフレッシュな甘酸っぱさを重ねます。

<ラスト> バーボン・バニラのピュアで濃厚な香りがクリーミーにあふれ出し、アンバーが温かみのある豪奢な甘みを、ベンゾイン(安息香)が繊細でバルサミックなパウダリー感を、ホワイトムスクがふわふわした柔らかなスウィート感を絡めます。


*ジューシーなシトラス&曖昧フローラルが、清潔感あふれる甘いジャスミン&アマリリスへと高まり、温かなパウダリー感を纏いながら、濃密なバニラ&アンバーへ蕩けていきます。





重めで暖かい、濃厚なオリエンタル・バニラなのに、なぜかとても明るく清潔な印象を残す、洗練された香り。
アンバーのじわっと染み出すような熱の籠もった甘さが尊くて、心が包み込まれるような、深い充足感に揺蕩えます。

ミドル以降のパウダリー感は、体臭にふんわりと香りを寄り添わせてくれて、それがちょうど、肌がほのかに乳臭いような円やかなミルキーバニラの印象に。
また、どことないスパイシーさの紛れ込んだクラシカルな淵源を感じさせつつも、「何とはなしに」なんて表現の似合う、気取らない、気さくで優しい甘さが、とてもモダン。

あんまりにもさり気ないから捉えどころがなくて、いつの時代にも「洗練」という言葉で俗世の流れから守られるような、永遠にタイムレスな香りです。

甘く温かですがとても『ほんわり』しているので、湿度の高い日本の夏でも重くなりすぎません。
カジュアルにもすんなり溶け込み、フォーマルでも充分な気品と存在感を示してくれる、とても使い勝手の良い一本です。

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[持続性] ★★★★☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

ディーゼル ラヴァー ドゥース タトゥー


『ディーゼル ラヴァー ドゥース タトゥー 』
* Diesel Loverdose Tattoo (EDP) *
香調:オリエンタル・フローラル <レディース>

ふわふわでノスタルジック。
ミルク粥に溶け込んだ、穏やかで暖かいバニラです。

2013年発表 * 調香師 Anne Flipo, Pascal Gaurin

<トップ> マンダリン・オレンジの甘くジューシーな柑橘感があふれ出し、ベルガモットがアロマティックな明るさを、カシスがフルーティーな淡いグリーン感を添えます。

<ミドル> サンバック・ジャスミンの静かでセンシュアルなフローラル感に、オレンジ・ブロッサムが甘さとフレッシュ感を、ローズが仄かなパウダリー感を重ねます。

<ラスト> バニラの澄んだ甘さがいっぱいに広がり、ミルク(牛乳)がクリーミーで濃厚なコクを、トンカビーンズが杏仁風味の繊細な芳ばしさを絡める。そこに、ライス(バスマティ米やライスプディングをイメージしたファンタジーノート)がナッツや草のニュアンスの混じった、ふわふわ甘いミルク粥の香りで全体を包み込みます。


*柑橘系の淡いフルーティー感が、センシュアルなジャスミン系フローラルへと揺蕩い、ふんわりと、クリーミーで甘いミルク粥の香りに飲み込まれます。





ミルク粥に杏仁豆腐を一匙混ぜたような、感動的に優しいクリーミー・バニラ。

常に微かに漂う草のような風味が全体をノスタルジックな情感に押し上げた、とてつもなく愛くるしい香りです。

甘さは結構強いのですが、ふわっとした柔らかな質感がその芯を散らしており、曖昧。
例えば水飴を火にかけた時の甘さを「鼻の奥に張り付くような甘さ」と表現するならば、この香水の甘さは「目の下がこそばゆくなるような甘さ」です。

ボトルやネーミングのダークで硬質な雰囲気とは真逆の、乳白色に玉子色を一滴垂らしたような、ほわんほわん&ポカポカ系。

リラックスタイムやご褒美タイムなどに最適で、涙腺ゆるい方はハンカチ必須。
お布団の中で微睡みながら包まれたくなる、優しく微笑みかけてくれるようなミルク粥香水です。

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[持続性] ★★★★☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

クリスチャン ディオール アディクト


『クリスチャン ディオール アディクト』
* Christian Dior Dior Addict *
香調:オリエンタル・フローラル <レディース>

妖艶で扇情的。
高揚感を煽る、夜向け濃厚バニラです。

2002年発表 * 調香師 Thierry Wasser

<トップ> マンダリン・リーフの、微かに青みの混じったフルーティーなシトラス感が、スッキリと広がります。

<ミドル> ナイトクイーン(月下美人)のバニラが花になったような甘美でセンシュアルなフローラル感が柔らかくあふれ出し、シルクツリー・フラワー(合歓の木の花)がグリーン調の透明な甘さを絡める。そして更に、オレンジブロッサムが清潔感とフレッシュ感を、ブルガリアンローズが気品漂う淡いパウダリー感を重ねます。

<ラスト> バーボン・バニラの胸をつくような愛くるしい香りが濃厚にあふれ出し、トンカビーンズが仄かに苦くて芳ばしい、杏仁にも似た繊細な甘さを、サンダルウッド(白檀)が静かで謎めいた、ミルキーなウッディー感を絡めます。


*青みがかったフルーティー・シトラスの香りが、センシュアルな甘いホワイトフローラルへと高まり、ゆっくりと、濃厚なバニラ&白檀の渦に飲み込まれます。




肌理の細かな真っ白な肌が、光を反射して艶々と輝く。

触れればしっとりと手の平に吸い付き、皮膚のすぐ下の薄い脂肪が筋にそってつくる滑らかな陰影が、まるで次に触れて欲しい場所を訴えるかのように、甘く色を変える。

目的地のない地図を読むかのよう、体中に散らばる色を辿り、視覚から触覚から零れて伝染する、情緒的な官能に溺れたその先の何か―――。

ドーパミンの過剰な充溢と、自分だけのミューズを手に入れる高揚感を香りにしたら、きっとこんなバニラ。

質感はパウダリーで、どことなくスモーキー。
バニラの明度は抑え目で、全体の印象はダークで温かい。

また、オリエンタル香水らしいクラシックな趣を持ちつつも、その仕上がりはモダン。

「クラシックでモダン」という、その相反する性質を併せ持っているように感じられるのは、おそらくベースであるバニラや白檀はどこまでも深く作り込んであるのに対し、ミドルの花々はクラシカルな複雑さから脱した、曖昧で柔らかな表情に整えられているため。

例えば、このミドルがもう少し薔薇っぽかったりスパイシーであったり、全体にアルデヒド的な温かみやアニマリックな重みが混じっていればクラシック一直線なのですが、それらをグッと抑えて、何のフローラルともバニラともグリーンともつかない、柔らかな甘さにミドル部分を揺蕩わせているところが、この香水の肝。

とてもセクシーなのですが、異性に対してアピールする系統の色艶ではなく、もっと本質的な、充足感や自信からくる人間的な魅力やセクシーさを引き出してくれるような、「付けている本人が一番気持ちよくなれるバニラ香水」です。

肌馴染みの良いクリーミー月白バニラなので、適量を素肌につけると、程よくミルクっぽい雰囲気を醸し出せます。

より「乳臭い体臭」に近づけるには、ロールオンタイプのアトマイザーを用いて、ほんの少量、ウエストや太ももの内側等の服に隠れる体温の高い場所に、「点」を意識して香りをのせていくとベストです。

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[持続性] ★★★★★ [拡散性] ★★★☆
[TPO] 春・秋・冬 / ナイトタイム

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ショパール カシミア


『ショパール カシミア』
* Chopard Casmir *
香調:オリエンタル・バニラ <レディース>

バルサミックで個性的。
ゴージャスなグルマン系フルーティー・バニラ香水です。

1992年発表 * 調香師 Michel Almairac

<トップ> ピーチ(桃)のジューシーな香りがあふれ出し、アプリコットがふんわりとしたエアリー感で奥行きを、マンゴーがトロピカルな甘みとコクで深みを出す。その桃系ミックスに、ラズベリーとカシスがピリッとした甘酸っぱいベリーニュアンスを、ベルガモットとマンダリンがスッキリとした淡い柑橘ニュアンスを重ねます。

<ミドル> シナモンの温かなビタースウィート感がゆったりと広がり、カーネーションがほのかに甘く快活なスパイシー感を絡める。そして其れ等を支えるように、ジャスミンとイランイランが青みがかった官能的な華やかさを、ゼラニウムがレモン風味の淡いローズ感を漂わせます。

<ラスト> バニラの抜けるような白く甘い香りが全体を明るく照らし、ベンゾイン(安息香)とオポポナックス(スウィートミルラ)が温かなバルサム(樹脂)の深みを、トンカビーンが桃の花や杏仁を混ぜたような繊細な芳ばしさを絡める。そこに更に、アンバーが高貴でオリエンタルな甘みを、ムスクが柔らかなパウダリー感を、パチョリがハーバルなスパイシー感を重ねます。


*瑞々しいピーチ系フルーティーが、華やかでほろ苦いスウィート・シナモンへと高まり、ゆっくりと不透明なクリーミー感をまといながら、甘いバニラ&バルサムへと溶けてゆきます。





完成度の高い、大人のグルマン香水。

ゴージャスなミルキー系オリエンタルバニラに、スパイシー感やビタースウィート感、フェミニンな桃ニュアンスが個性を添えた、満足感の高い複雑な香りです。

トップからミドル、ラストへの香りや質感の変化が美しく、オープニングはジャム的な瑞々しさが、中盤以降はクリーミーでスモーキーなパウダリー感が、各ノートの表情をより奥深いものへと導いています。

甘めで重め、格調高い仕上がりなので、華やかなシーンや特別な日にもバッチリ。
クラシカル系の香水がお好きな方に、特におすすめです。

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[持続性] ★★★★★ [拡散性] ★★★☆
[TPO] 春・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

コティ バニラ ムスク


『コティ バニラ ムスク』
* Coty Vanilla Musk *
香調:オリエンタル・バニラ <レディース>

シンプルでヌーディー。
ウッディー感の効いた、「肌色バニラ」香水です。

1994年発表

<シングルノート>
バーボン・バニラのピュアで濃厚な香りが生まれたての仔馬のように歩き出し、そのすぐ後ろをブランケットを持って追いかけるように、ムスクがふかふかした綿あめみたいな純白スウィートで包み込みます。

ふと気づくと母馬がそっと仔馬バニラの頭を舐めており、慈しみを湛えた黒々とした瞳の、その横長の瞳孔がもたらす温和な表情に似たサンダルウッドとシダーが、低く、まろい静かな木の温もりを、チュベローズ(月下香)が肌の匂いに似たクリーミーな花の香を、トンカビーンズが僅かに焦げたようなノスタルジックな芳ばしさをくゆらせます。


*愛くるしいバニラ&慈愛のサンダルウッド。





「バニラの匂い」を限りなく「肌の匂い」へと近づけた、ピュアでセンシュアルな香り。

シンプルで清潔。ソフトでミルキー。
癖のない、ほど良い甘さのバニラ&ムスクに、しっとりと効いたウッディーが独特の「肌色感」を添えた、温かでホッとする香りです。

「オリエンタルバニラ」のお手本のような、装飾を削ぎ落した「素っ裸のバニラさん」なので、『ディオールのアディクト』や『イヴサンローランのシネマ』のような「何らかの表情や艶っぽさ」を浮かべていない、ヌーディーで自分色に染まってくれそうな「肌色バニラ香水」をお探しの方に、最適。

素っ裸なのに、ギリシア彫刻並みに完璧に美しい、白く輝くバニラさんです。

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[持続性] ★★★☆☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

ハナエモリ ハナエ モリ


『ハナエモリ ハナエ モリ』
* Hanae Mori Hanae Mori *
香調:オリエンタル <レディース>

少女と大人の境界線上。
蠱惑的なベリーと混ざる、ミルクセーキのような白檀&バニラです。

1996年発表 * 調香師 Bernard Ellena

<トップ> ワイルドストロベリー(苺)のジューシーな甘い香りがスラリと立ち上がり、ブラックベリーが蜂蜜ニュアンスの豊かな風味を、ブルーベリーとブラックカラント(カシス/クロスグリ)が、ピリッとしたフルーティーな甘酸っぱさを絡めます。

<ミドル> イランイランのシャラリとした官能的で青みがかった蜜の香があふれ出し、ジャスミンが静かで淡い草の葉ニュアンスを、ローズとピオニーがふんわりとした華やかなパウダリー感を重ねます。

<ラスト> バニラの微発光するような澄んだ甘さと溶け合って、サンダルウッド(白檀)がミルキーでオリエンタルな木の香りを広げる。そこに、アーモンドツリー(アーモンドの木の香りをイメージしたファンタジーノート)がナッツの芳ばしい風味を、ブラジリアン・ローズウッドが薔薇に似た爽やかなフローラル調を含んだウッディー感を、ヴァージニアシダーがスパイシー感の混ざった落ち着いた針葉樹の香りを重ね、深みのあるウッディー・オリエンタルを描き出します。


*シャープなベリー系ミックスの香りが、ほのかにパウダリーなイランイランへと華やぎ、ゆったりと、アーモンド風味のバニラ&白檀へ落ち着きます。





甘いミルクセーキに、ベリーとナッツを散らして。
霧があたりを包み込む、深い深い、森の中。

暗闇の中にポッと浮き上がるような、乳白色に赤を一滴垂らした香り。

純粋で、けれどもひどく蠱惑的で。
半ば確信犯的にベリーの甘酸っぱさと溶け合うミルキーなオリエンタル感は、女性なら誰でも持っている、甘いバニラみたいな何か。

記憶の中の優しいミルクを思わせるそれを、ある人は「赤ちゃんの匂い」だと言い、ある人は「乳臭い女の子の匂い」だと言い、ある人は「ママの匂い」だと言う。

それは至る所に見つけることができて、例えば「可愛い」なんて言葉で共有できる曖昧なハッピーに潜んでいるかと思えば、家族や友人を思いやる優しさのど真ん中に居たり、あるいは自分の道を邁進する煌めく瞳に宿っていたりもする。

そして、誰かを愛すると、そのバニラをあげたくなったり、奪いたくなったり、分け合ったりしたくなる―――。

この香水のもつ「乳白色」は、まさにそんな「肌の匂い」。

温かくて優しい、弱さと強さが混ざった、記憶の中の愛情の匂い。
誰かを想った安らかな時間を、時空のヴェール越しに、もう触れられないことにほんの少し胸を痛めながら想う、甘酸っぱい心地。

中盤以降を濃く覆うサンダルウッドは、心を緩やかに過去へと導いてゆく、瞑想の主。
ジュードポウが「幼い頃の幸福な食卓」へ誘ってくれるのだとすれば、ハナエモリは「切ない恋の幸福だった一瞬」へと誘ってくれる、感情と理性の混ざる香り。

心の中の自分だけの宝物を、胸を軋ませながら、匂いの感覚に引き出される肌のざわつきの上に見い出す。
グルマン×オリエンタルの組み合わせは、心の柔らかい部分を擽って、深い精神性へと答えを求めるような、切なさを温かく包み込んでくれる「安定」を感じられます。

しっかりとしたグルマン調で、クリーミーで滑らか。
ふわふわで、ほんわり温かくて、アーモンドの風味が芳ばしい。

トップのベリーはシャープですが、酸味はあまり感じられず、甘甘甘甘甘酸っぱい、というくらいスウィート。
ラストはとても深く美しい、ウッディー&バニラが楽しめます。

肌に乗せると、ミルキーな甘さが前面に出て、オリエンタルなスパイシー感が程良く混ざり、とても上品な牛乳風味の肌の匂いに。
幅広い年代の方に似合う、丁寧に作り上げられた、豊かで穏やかな香りです。

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[持続性] ★★★★☆ [拡散性] ★★★☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

ディメーター コンデンスミルク


『ディメーター コンデンス ミルク』
* Demeter Condensed Milk *
香調:グルマン <ユニセックス>

そのまんま外国製コンデンスミルク!!
砂糖たっぷりの、コッテリ牛乳グルマンの香りです。

<シングルノート>
ミルクの濃厚で温かな香りが滑らかにあふれ出し、シュガーが無垢な甘さを絡めます。


*牛乳×砂糖+グルマンペースト





ピュアなミルク&クリームのすぐ下に、それらを煮詰めたような甘さが漂う、重心低めのバニリック・ミルク。
日本のコンデンスミルクでなく、外国の、乳製品にほんの少しココナッツミルクを混ぜたお菓子的な匂い。

どことなくフルーティーで、軽やかで、ほんわり温かい、ピュアな香りです。

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[持続性] ★☆☆☆☆ [拡散性] ★☆☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

ケンゾー アムール


『ケンゾー アムール』
* Kenzo Amour *
香調:オリエンタル・バニラ <レディース>

アジア×純朴=心の故郷。
新しいのに懐かしい、ほんわり系ライスプディングです。

2007年発表 * 調香師 Daphne Bugey, Olivier Cresp

<トップ> フランジパニ(プルメリア)のフルーティーな甘酸っぱさと青みを含んだ南国の花の香がユラリと立ち上がり、チェリー・ブロッサム(桜)が柔らかなパウダリー感を絡めます。

<ミドル> バニラの澄みきった甘さが高く広がり、ライス(バスマティ米やライスプディングをイメージしたノート)がナッツの芳ばしさの混じった肌色のミルク感を、ホワイト・ティー(白茶)が気品あふれる円やかな茶の風味を重ねます。

<ラスト> インセンス(お香)の異国情緒あふれる静謐な香りに、ムスクがセンシュアルで甘いパウダリー感を、タナカ・ウッドが深みのあるソフトな樹木のニュアンスを添えます。


*フルーティーなプルメリアの香りが、ふわっふわのバニラ&ライスへと膨らみ、パウダリー感を増しながら、エキゾチックなムスキーノートへ落ち着きます。





ミルクの匂いの肌を思わせる、淡く柔らかなライスプディングの香り。

モダンで、明るくて、清潔で。
全体を包むフワフワのパウダリー感が、肌の上のクリーミー・バニラに薄紅色のヴェールをかけており、その曖昧さが、とてもミステリアスでセンシュアルです。


ライスプディングといっても、グルマン(=お菓子のよう)的な美味しそうな雰囲気とは少し異なり、甘さも控えめ。

バニラの一番きれいで真っ白な部分をスプーンですくって、淡白な味のお米をコトコト煮た半透明の液体と混ぜ合わせて、それをエスプーマで泡状ムースにしたような、「風味だけを楽しむ、食べられる泡」的な、限りなくグルマン的なのに決して味覚的ではないような、そんなライスプディング感を楽しめます。

また、プルメリア等の花の香もけっこう効いており、他には何ともなしに淡いスパイシー感やグリーン感が其処彼処に。

気取らず使える「東洋趣味の肌色バニラ」なので、「可愛すぎるバニラやグルマン系はちょっと……」という方や、「ミルクっぽい肌の匂いには憧れるけど、照れくさいし、そういう柄やキャラじゃないしなあ……」という方にもオススメ。

素朴で優しい、ほんわりアジアンバニラの香りです。

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[持続性] ★★★☆☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

アナスイ ナイト オブ ファンシー


『アナスイ ナイト オブ ファンシー』
* Anna Sui Night of Fancy *
香調:フローラル・フルーティー <レディース>

幻想的でセクシー。
ブルーベリー・ミルクセーキの、甘い香りです。

2008年発表

<トップ> ブルーベリーの瑞々しくセンシュアルな香りがあふれ出し、ワイルド・スロトベリーがピリリとした無邪気な甘酸っぱさを、グレープフルーツ・リーブスがすっきりとした軽いグリーン感を絡めます。

<ミドル> サンバック・ジャスミンの夜露に濡れたような淡く瑞々しいグリーン感が流れ出し、ステファノティス(マダガスカルジャスミン)が同系統の甘いフローラル感を重ねます。

<ラスト> ミルクセーキ・アコードの滑らかでコクのある、美味しそうな香りがモコモコ発生し、オリバナム(フランキンセンス・乳香)が「ウッディー」を砂糖とスパイスで煮詰めて天日干ししたような、曖昧な樹脂感でミルクの「モコモコ」に陰影をつけ、カシュメランが「風呂上がりのムスクさん」を思わせるしっとりとした甘い霧で、艶やかさを出します。


*クールなブルーベリーの香りが、白いレースの下着みたいなジャスミンへとほどけ、「瑞々しさ」が少しずつ汗ばみながら、親密なミルクセーキ&ウッディーへと辿り着きます。




グルマン系のお菓子っぽいミルク感と、乳臭い娘的なまろい肌の匂いとの中間あたり。
食欲と性欲との境を曖昧にして、夜の帳にとびきりのロマンスを描いたような、少女と大人が混ざる瞬間の香り。

ブルーベリーの媚びない甘酸っぱさがとても自然に表現されており、そのどこかツンとしたセクシーさが大人びた表情で微笑むのが、ミドルのジャスミン。

ジャスミンと言っても、インドールの気配よりもグリーン感がストレートに立ち現れる、気高さが色気を凌いだようなジャスミン。

そしてここまでを駆け足で抜けたら、トップから混ざり気味だったミルクセーキが全開になります。


この香水の「ミルク」はウッディーのニュアンスと常に抱き合わせになっていて、その落ち着きの分「肌の匂い」や「乳臭い雰囲気」はよく出ているのですが、「ミルクセーキ」の言葉から期待しがちなグルマン的なほのぼの感やハッピー感は、あまりありません。

どちらかといえば少し暗めで、ブルーベリーやジャスミンの「グリーン」は、「蒼白い肌」を思わせるテンション。それでいて、とてもとても甘いです。(まさに、アナスイ。)

この香水の持つ独特な不安定さを「エロティック」と言っても良いのか、それとも単なる「若さ」と感じるべきなのか。
誰かに詰め寄って確かめたくなる、「中間」の香りです。

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[持続性] ★★★☆☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

エリザベスアーデン フィフスアベニュー スタイル


『エリザベス アーデン フィフス アベニュー スタイル』
* Elizabeth Arden 5th Avenue Style *
香調:フローラル・フルーティ・グルマン <レディース>

ホワイトチョコ&ピーチ!
微かな酸味が特徴の、グルマン調なめらかバニラです。

2009年発表 * 調香師 Yann Vasnier

<トップ> イタリアン・ベルガモットの上品な酸味と苦みがきらきら広がり、ラズベリーがウッディー感の混じった落ち着いた甘酸っぱさを絡める。そこに、ピンクペッパー(ポワブルロゼ)が軽やかな薔薇系の華やかさを、タジェットが土属性のくぐもったグリーン感を重ね、香りに奥行きを出します。

<ミドル> ホワイト・チョコレート・トフィーのなめらかな甘いミルク感があふれ出し、ピーチ(桃)とアップル・ブロッサム(林檎の花)が優しいフルーティーニュアンスを、プラム(西洋スモモ)がフェミニンな甘酸っぱさを、ピオニーが淡いフローラル感とフレッシュ感を重ねます。

<ラスト> バニラの澄んだ香りがゆったりと広がり、ホワイトムスクが曖昧でふわふわした甘さを、モス(苔類)が微かなアーシー感で落ち着きを添えます。


*ベルガモットのきらきらした酸味が、クリーミーなホワイトチョコ&ピーチへと溶け、ふんわりと、澄んだムスキー・バニラに着地します。





グルマン調(=お菓子のような)バニラ&ミルクを前面に出しつつ、フルーツの柔らかな風味や酸味で全体のバランスを取り、ドライなアーシー調のグリーン感で深みや落ち着きを演出した、心地よい香り。

そつが無く、親しみやすく、付けていると何だか気分が良くなる、エリザベスアーデンらしい香水です。


オフィスを始め、どのようなシーンでもつけやすい「ほんのり&さっぱり系グルマン」で、幅広い年代の方、ファッションにもばっちりマッチ。
ミルクや体臭というよりは、甘めのボディケア用品を使ったような、良い意味で人工的な印象に香ります。


包括的には、柔らかなピーチ系フローラルにどことないスパイシー感がキレを加えた、石鹸香料的な香りが基調に。

そこにグルマン調のミルキー・バニラを大胆に乗っけて、さらにベルガモットの酸味で明るさとキラキラ感を加えたものをイメージしていただければ、まさにその通りの香りです。

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[持続性] ★★★☆☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

バス&ボディワークス ウォームバニラシュガー


『バス&ボディワークス ウォームバニラシュガー』
* Bath and Body Works Warm Vanilla Sugar *
香調:オリエンタル・バニラ <レディース>

砂糖漬けの激甘グルマン調。
アメリカンなココナッツ&バニラの香りです。


<トップ> フローラルノートの何の花ともつかないフレッシュで優しい香りに、バニラが穏やかな甘さを添えます。

<ミドル> バニラ&ライスのグルマン(お菓子のような)調子の甘い香りに、ココナッツが南国の芳ばしいミルキー感を絡めます。

<ラスト> バニラ&ムスクのソフトなパウダリー感に、サンダルウッド(白檀)がほのかなオリエンタル感で深みを出します。


*甘~いバニラが、フローラルニュアンスをまとったり、ココナッツ風味のお菓子になったり、ムスクとふわふわしたりします。





クラシカルでシンプルな、美味しいミルキー・ココナッツ・バニラの香り。
ほど良くパウダリーで、クリーミー。砂糖漬け的な強い甘さですが、付け心地は軽くてソフト。

アメリカンなボディケア製品の香りが好きな方や、ココナッツ入りのクリームケーキの香りが好きな方にオススメ。
ちょっとした気分転換にも使える、グルマン系ミルキーバニラです。

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[持続性] ★☆☆☆☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

ディーゼル プラス プラス フェミニン


『ディーゼル プラスプラス フェミニン』
* Diesel Plus Plus Feminine *
香調:オリエンタル・フローラル <レディース>

クリーミーで甘酸っぱい。
個性的な「いかついミルク」の香りです。

1997年発表 * 調香師 Arturetto Landi

<トップ> ビターオレンジの苦みと酸味の効いた激しいシトラス感がパチンと弾け、パイナップルがチカチカ点滅するような鮮やかなトロピカル感を、フルーティノートが桃やリンゴのまろいジューシー感を絡めます。そこに、リリーオブザヴァレイが淡いグリーン感を、カシスがツンツンとしたベリーニュアンスを絡めます。

<ミドル> ミルク(牛乳)のぬくぬくとした美味しそうな香りが両手を広げ、突進していったココナッツと熱い抱擁を交わします。すると、マグノリア(木蓮)とオーキッド(蘭)、ジャスミンとリリー(百合)の4姉妹が、少女漫画の背景画のような、華美でパウダリーなフローラル感をパアァッと広げます。そして、それらの醸し出す甘やかさに嫉妬するかのように、チェリーがワガママな甘酸っぱさを、ストロベリー(苺)が無邪気なジャム風味を、アップル(林檎)が恥じらいのもったり感を重ねます。

<ラスト> もじもじと出てきたバニラを、純朴なムスクが抜群の懐の深さで包み込み、更にサンダルウッド(白檀)がクリーミーで甘い、お香めいた清らかさでもってラッピングします。仕上げに結ばれるリボンは、土っぽさと苦みが若干の苦悩を醸し出す、スパイシーなナツメグ。そして、その今にも爆発しそうなバニラ箱を保護するように、アンバーが温かみのある落ち着いたオリエンタル感を、オリスルートがソフトな澱粉臭を巻き付けます。


*酸味の効いたフルーツの香りが、ミルクに包まれた繊細な花とチェリーに覆われ、温かみを増しながら、スパイシーなバニラ&白檀に溶けていきます。


不思議すぎる!酸味やスパイスの効いた、いかつすぎるミルクの香り。





ある朝、いつもの様に目覚まし時計を止めて、素足のまま誰もいないリビングに行く。

毎日なんとなく眺めていたテレビをつける気もおきず、スマホも充電器に挿したまま。
窓から差し込むうすぼんやりとした青色の光に包まれて、今日やることを1つ、心に決める。

そしてキッチンへ行って冷蔵庫を開けると、買った覚えのない牛乳パックが、ポツンと真ん中の棚に置かれている。

期限は印字されておらず、パックは白無地。
1つの文字も記されていないのに、不思議とそれが「何か」なのを理解していて、そっと手に取ると、一気に飲み干す――――。


それは「甘えからの脱却」や、「懐かしいものからの卒業」に似た心地。

お気に入りのグラスに注いだいつものミルクが、ある朝飲むとなんだかトゲトゲしている、あの悲しくて切ないのに、どこか解放されたような、自分自身が強くなろうともがいているような感覚。


もう同じでいるのは沢山なのに、すっかり「自分の型」にはまり込んでしまった閉塞感を思わせるのは、やたらまったりとしたミルクやバニラ。その息苦しさに募るイライラは、スパイシーなナツメグ。それでも誰かに、何かに甘えずにはいられない、変化に怯える弱さとズルさは、甘酸っぱいフルーツ。そうして得る一時の安らぎは、曖昧なホワイトフローラル。そんな混沌とした中から突き上がってくる「変化への渇望」は、白檀を中心としたミステリアスなオリエンタルノート。

これら全てがボトルに詰め込まれてしまった、エモーショナルな香水です。

ミルキーなオリエンタルの匂いが、スプレーした直後のパチパチとしたフルーツの下から今か今かと出てくるのを待ち構えてるような、妙な緊張感が漂うトップノートが最悪(褒め言葉)。

ボトルデザインが物語るように「ミルク」をテーマにした香水ではありますが、グルマン系ではなく、オリエンタルバニラの趣きが強い、ココナッツの効いたフルーティー&フローラルな香りです。

胸のもやもやと内緒話をしたいときに。

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[持続性] ★★★☆☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

ジルサンダー サン


『ジルサンダー サン』
* Jil Sander Sun *
香調:オリエンタル・フローラル <レディース>

甘くて熱っぽい。
バニラが日向ぼっこしているような、牛乳の中に太陽を沈めたような、狂おしい香りです。

1989年発表 * 調香師 Pierre Bourdon

<トップ> オレンジブロッサムの清らかなフローラル感がポンッと飛び出し、レモンが初々しい酸味と輝きを、ベルガモットが仄かに苦い、フルーティーニュアンスの効いたシトラス感を絡めます。

<ミドル> ヘリオトロープのナッツ風味の曖昧で人懐っこい甘さがよちよち歩きし出し、オリスルートが土属性のパウダリーな安心感で包み込む。その甘い空気の中に、イランイランの青臭い花々を砂糖とバナナで煮込んだような、劣情を沈黙でくるんだ艶めいた気配が立ち上がり、ローズが無条件の愛情を、リリー・オブ・ザ・ヴァレイが純真無垢な愛着を持ち寄る。時折ふと、怒りと緊張が混ざった甘えが爆発するように、カーネーションのピリリとしたバニラ風味のスパイシー感が過ぎります。

<ラスト> ベンゾインの甘く温かな、バルサミックな指先に触れてバニラがポタポタ零す涙を、アンバーとスティラックス(蘇合香)の熱っぽい樹脂の香りが、静かに、ただ忍耐強く受け止める。そして、ムスクが霧めいた曖昧な視界で心の距離を削り、トンカビーンズが途方もない繊細さと弱さを露呈し、サンダルウッドが許しに似たミルキーなウッディー感で、時と記憶を混ぜる。ドロドロに溶けてなおスパイシーさの抜けきらない、パチョリが浮かび上がらせる煙った全体の表情は、どこか息苦しい、境すらもどかしく感じる、未熟さゆえの真摯なもの。


*シトラス色のフルーティー感が、そこはかとなくスパイシーなイランイラン&ヘリオトロープへと温度を上げ、熱の冷まし方を知らないみたいに、甘く濃厚なバルサム&バニラに迷い込みます。





初夏の午後の日向ぼっこのような、ポカポカと全身を包む柔らかい温もり。

この香水の魅力はそんな「温度感」にあり、バニラとイランイランが恋をするような、エモーショナルな香りの掛け合いにあります。


それは、陽が落ちればスッと冷えてしまう程の、本格的な夏が来ればその容赦のない気温に飲み込まれてしまう程の、不思議で曖昧な温度の中で。
―――それは、触れる指先が酷く熱くて、いつまでも2人だけの世界に閉じこもっていたくなる、心がグニャグニャに溶ける臨界点の上で。

バルサミックな渦に飲まれて一瞬も同じでいられないから、ただ互いの熱を奪い合って、混ぜる不確かな太陽の中に、永遠よりも長い一瞬を信じ合い―――、自虐的なほど露わな青い華やかさを広げる、救いたがりのイランイランの瞳に、少しづつウッディー調の深い自信が宿り煌くのを見るのが、泣き虫バニラの本当の心の支えで、甘い『ありがとう』が「愛してる」や薔薇の代わりになる、そんな切ないくらい繊細な慕情の香り。

オリエンタル・フローラルの深みの中でバニラとイランイランが溺れている、優しいのに、どこか息苦しい、甘くて熱い香りです。

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[持続性] ★★★★☆ [拡散性] ★★★☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

フィロソフィー フレッシュ クリーム


『フィロソフィー フレッシュ クリーム』
* Philosophy Fresh Cream *
香調:フローラル <ユニセックス>

まさにホイップクリーム!
濃密で美味しそうな香りです。

2013年発表

<シングル> ホイップクリームのピュアで滑らかな香りがあふれ出し、ミルクが美味しそうなコクを、スウィートノート(お菓子をイメージしたファンタジーノート)がソフトなグルマンテイストを絡める。そして、それらの甘さを支える様に、パウダリーノートとフローラルノートが、心地よい清潔感を低く香らせます。


*ミルキーで優しい、甘めのホイップクリーム。





生クリームにコンデンスミルクを混ぜ込んだような、濃密で美味しそうな香り。
ほど良く効いたパウダリー感が全体をソフトにまとめ上げた、ライトで使いやすい一本です。

甘めではありますが、「がっつりグルマン系の香水」といったヘビーな甘さとはまた異なる、甘めのボディークリームのような「シンプルな甘さ」が特徴。

具体的には前者は「様々な種類の甘さ(お菓子をイメージした、スウィーツノート)」が複雑に重なり合っているのに対し、後者は「砂糖のような単一の甘さ」だけで出来ているような、シンプルさゆえの嗅ぎやすさがあります。

これと同系統の香りで、「バニラもしっかり楽しみたい!」という方には、「極上すぎるバニラの香りのレディース&メンズ香水16選」のバニラエクストリームがおすすめです。

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[持続性] ★★★☆☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

セルジュ ルタンス ジュドゥポー


『セルジュ ルタンス ジュドゥポー』
* Serge Lutens Jeux de Peau *
香調:オリエンタル・ウッディー <ユニセックス>

ミルクとトースト!
芳ばしさと白檀が記憶と精神を結ぶ、幸福な食卓の香りです。

2012年発表 * 調香師 Christopher Sheldrake

<トップ> ミルク(牛乳をイメージしたノート)のバターにも似たミルキーな乳製品の風味に包まれて、ウィート(小麦)が穀物のふっくらとした香りを、イモーテルがキャラメルに僅かなスパイスを溶かしたようなほろ苦い甘みを、ピラジン(香料の一種)がナッツをローストしたときの「あの芳ばしい感じ」を漂わせます。

<ミドル> トップのミルク&キャラメルトーストの香りに加えて、リコリスがスッと鼻に抜けるようなビタースウィート感を、ココナッツが南国風のミルキーで温かな甘さを重ねます。

<ラスト> サンダルウッド(白檀)の清らかでクリーミーなウッディー感(木の香り)があふれ出し、インセンスが静かなオリエンタル感を、アンバーが高貴で熱っぽい甘みを、アプリコットとオスマンサス(金木犀)が熟したフルーツに似た複雑な糖蜜感を絡めます。


*ミルク&キャラメルトーストの香りが、次第にほろ苦い甘みとクリーミーさを増しながら、黄金色したサンダルウッドに溶けてゆきます。





アーシーで、ほのかにスパイシーで、暖かい。

とてもリアルな食べ物の香りが、なぜか神々しいサンダルウッドへと辿り着く、極楽浄土を目指して旅立った坊主が哲学に目覚めていくかのような香り。

トップからミドルにかけての、驚くほど「芳ばしさ」が演出されたパン&ミルクは、甘さ控えめで、キャラメルっぽいニュアンスもお菓子的ではなく、あくまで焦げたようなドライなビター感が強調されています。

ミドルに差し掛かる辺りから、そこにリコリスの暗さを感じる甘みが全体を覆い出して、ラストはストイックなサンダルウッドに。

前半のミルク&ト-ストよりも、よほど甘くクリーミーな木の香りがずっしりと広がる、白檀やお香が好きな方には堪らなく愛くるしいけれども、甘いグルマン調を求める方には耐え難いほど真摯なオリエンタルウッディー調です。


「Jeux(=遊び)de(の)Peau(=肌、身体)」=「肌の遊び」という不思議なネーミングをもつこの香水は、ルタンスの幼少時代の「焼きたてのパンの香りの記憶」をモチーフにしたのだそう。

解釈の仕方は様々なれど、例えばそれは、原始的な肌の触れ合いに感じる心地よさや、安心感。子供の頃に「手をつなぐ」ことで得た温かな幸福感や、ただ純粋に触れてみたくて手を伸ばした先の、誰かの頬の柔らかさ。

そういった「肌の記憶」を限りなく微分して、触れた瞬間の充足感を「匂い」の中に求めるならば、本能をくすぐる食の記憶―――「生命を維持する術を覚えた頃の、懐かしいミルクと穀物」に収束するような、そんな「ノスタルジックで素朴な感覚」を見い出せる香りです。

グルマン調というには些かリアルすぎる、焼きたてのパンの芳ばしさと、温めたミルクの香り。

それらが時間を経るごとに、その感傷的ともとれる「美味しさ」を失い、深いサンダルウッドへと潜っていく様は、あたかも「記憶から精神世界」へと思索にふけってゆくような、静かな落ち着きや安らぎを自己の中に見い出す過程のようでもあります。

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[持続性] ★★★☆☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム

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