シトラス&ミントの爽やかな辛みと酸味が、深いグリーン・ウッディーへと高まり、ラストはふんわり繊細なビター・スウィートにとろけていく、ミステリアスに煌くフレグランス。
詩的な香りの世界で魅せる「アニックグタール ニュイエトワーレ」は、星空をめぐる、ファンタジックで澄んだハーモニーが魅力。
目を瞑って深呼吸したくなる、ロマンチックな作品です。
アニックグタール ニュイ エトワーレ
香調:ウッディー・アロマティック <ユニセックス>
もくじ
トップノート「キン、と煌く星々に溺れる」
ミントの涼やかなグリーン感が伸びやかに広がり、シトロンが香り高い強い酸味を、オレンジがジューシーな甘みを絡めます。
*ミントの辛みが心地よい、しっかりとしたシトラス(柑橘)の香り。キラキラと光を振り撒く星たちを模したような、ハーバルでキュッとした辛みと酸味が、スッと鼻に抜けていきます。
真っ暗な田舎の夜に見上げた空の、宝石箱をひっくり返したような明るい星々。そのキン、と音のなりそうな光の粒、とりわけ、おおいぬ座の1等星シリウスのように青白く輝くもの。そんな表面温度が2万度以上にもなる遥か彼方の高エネルギー体を、宇宙空間と地球の空気を透かして見る感覚。
「キラキラして綺麗だな~」ではなくて、「もう消滅してるかもしれない星の、遠い地球まで旅してきた光に思いを馳せる」ような、途方もない憧れと切なさを詰め込んだ一瞬の胸の痛みを香りにしたら、きっとこんな感じ。澄んだ辛味と酸味が星空に似合うと感じるのは、たぶんとても、寂しがりでロマンチストな人です。
ミドルノート「地球に生きていることを実感する、鬱蒼と繁る木々の香り」
パイン・ツリー(松の木)のフレッシュな針葉樹の香りが雄大に溢れ出し、ファー(モミの木)が常緑の甘い温かみを添えます。
*大胆で深みのある、グリーン・ウッディーな木々の香り。ファー(モミの木)は、クリスマスツリーに使われている常緑の木で、パイン・ツリーと合わさることで、バランスの良い、心地よいウッディーノートを作り上げています。
敵を知り、初めて己を知るように。宇宙に目を向けて改めて自分が地球に住んでいることを理解する瞬間の、やけに風が甘く青く感じる、ざわめく心地に似た香り。
いつだったか地球科学・宇宙科学を学び始めた頃、それまではただ「天幕に縫い付けられた宝石」ぐらいにしか意識していなかった星々の、ダイナミックな息吹や光の速さ、宇宙の成り立ちを知って初めて、私は地球が丸いことや夜が暗いこと、時間や死といった概念を受け入れることができました。
3歳の頃よりも世界が真新しくて、広々としていて、まるで知らない星に降り立ったかのような純粋な好奇心に満ちた、素晴らしい日々でした。
風はいつでも夏の匂いがして、そっと吸い込んだ空気に肺がちょっと痛んで、やけに色とりどりな世界がまぶしくて、本当に、生きることを愛していた気がします。
今はまだ少し霧が立ち込めているのだけれど、ふと素敵な木の香りやノスタルジックなハーブの香りをかぐと、当時の感覚がほんの少し蘇ります。この香水のウッディーも、そんな優しさにあふれた香りです。
ラストノート「宇宙に恋した、ビター・スウィートな香り」
杏仁に渋みと塩気を足したような、トンカビーンの複雑な芳ばしさが柔らかく広がり、イモーテルがカラメルのようなほろ苦さを添える。そして、アンジェリカが大地を感じさせるようなスパイシーさで全体を引き締めます。
*ほろ苦くてスパイシー。繊細な甘さのラストノート
ドキドキしてしまうほど、どこまでもロマンチック。ミドルの雄大な木々の香りが、ふんわりとミステリアスなほろ苦い甘さに溶けていきます。スーッと立ち上るような軽やかさがとても綺麗で、生い茂る高い木々に見え隠れする、金色に輝くたくさんの星を地面に寝転がって見上げたら、きっとこんな心地。
ガツンと重いウッディーに流れずに、繊細なビター・スウィートに着地する、アニックグタールの詩的な世界が存分に楽しめる、洒落たラストノートです。
こんな方におすすめ&香りについて
* 木の香りが好き
* ミント&シトラスの爽やかな香りでリフレッシュしたい
* 神秘的な森の雰囲気に包まれたい
* ビター・スウィートで軽めのラストノートを探している
* 詩的でストーリーのある香りの世界を旅してみたい
* 癒されたい
⇒ミステリアスなアロマティック・ウッディー。
シトラス&ミントの爽やかな辛みと酸味が、深いグリーン・ウッディーへと高まり、ふんわり繊細なビター・スウィートにとろけていきます。
ニュイ・エトワーレ(星降る夜)に森を彷徨う、シンと静かでロマンチックな風景を描写したような、ミステリアスで詩的な香り。ミドルの大胆なパインツリー(松の木)とファー(モミの木)がとても癒される香りで、思わず深呼吸したくなるほど。トップからミドル、ラストまでの流れも自然で、ストーリーのある香り展開が味わい深い作品です。
全体を通して精油のように澄んだ香りで、「香水の匂い」を楽しむというよりは、そっと「香りの気配」を楽しむようなフレグランスです。
リラックスするなら、こんな付け方
1.ウエストや太ももなど、低めで服に隠れる位置につける。香りは下から上へ立ち上るため、全身をふんわりとナチュラルに包んでくれます。
2.肘の内側につける。肌の上で展開する香りの声を、そっと呼吸します。
香りの成分&いろいろ
<トップノート> ミント, シトロン, オレンジ
<ミドルノート> パインツリー, ファー
<ラストノート> イモーテル, アンジェリカ, トンカビーン
2012年発表, 調香師 Isabelle Doyen
* Annick Goutal Nuit Etoilee *
それぞれの香水には、それぞれの個性がある。
周囲へのアピールに長けているものもあれば、「自分の香り」となって生活を彩ってくれるもの。
なりたい自分を応援してくれるものや、元気をくれる相棒のようなもの。
そしてこの香水のような、詩的でストーリーをもった、心を旅させてくれるもの。
香りって、どうしてこんなにもロマンチックなのでしょうか。
素敵な作品に出逢うたび、初恋みたいにドキドキしてしまいます。
星の美しい夜に彷徨う、深い森。
ほんのりとした恐怖を飲み込んでしまう、圧倒的な木々の存在感と、眩い星の輝き。
静かに目を瞑って、香りの世界を旅してみてください^^
※メンズボトル(四角いの)、レディースボトル(ひょうたん型)、深いブルーのボトル(旧デザイン)、透明のボトル(新バージョン)がありますが、全て同じ香りです。
[持続性] ★★★☆☆ [拡散性] ★★☆☆
[TPO] 春・夏・秋・冬 / デイタイム・ナイトタイム