シュールレアリズムの代表的な作家として知られる、スペインの芸術家「サルバドール・ダリ」のブランドより1991年に発売された「サルバドールダリ ラグーナ」は、まるで香りのアートのよう!
南国のカラフルな花々が咲き乱れる、楽園の海に流れるとろけた時間を描いたような、まったりと甘いココナッツ&レモン。
エメラルド・グリーン色したフロストガラスのボトルは、ダリの絵画「クニドスのアフロディテ」の唇と鼻をもとにデザインされたものだそうです。
創造力を刺激する、香りの彫刻のようなフレグランスをご紹介します^^
サルバドール ダリ ラグーナ
香調:フローラル・フルーティー <レディース>
もくじ
トップノート「太陽をいっぱいに浴びて育った果実の香りが、楽園へと甘く誘う」
瑞々しいオレンジと甘酸っぱいプラムが元気に弾け、南国のまったりとしたパイナップルが甘くただよう中、切ないほど明るいレモンの香りがふんわりと広がります。
*フルーティーでフレッシュな香りは、楽園の暖かな日差しのような香りです^^
ミドルノート「花々が彩る、エメラルド・グリーンの海の世界」
スズランとジャスミンのグリーンニュアンスな華やかさが水面をかける風のように立ち昇り、エジプト・ローズが艶やかさを、アイリスが淡いパウダリー感を、ローズウッドが明るいウッディー感を絡めます。
*ギリシア語で「虹」を意味するアイリスの、森の土のようなノスタルジックなパウダリー感が魅力的です。
ラストノート「海と時間を切り取って、グニャリと溶ける」
ココナッツのミルキーな甘さがあふれ出し、バニラとトンカビーンが芳ばしく繊細な甘さを、アンバーとムスクがセンシュアルなパウダリー感を絡めます。
*ラグーナとは、内海、つまり砂または珊瑚の礁によって本流から分断される水域のこと。海と時間の流れを切り取ったような、とろりとした魅惑的な香りは、記憶の扉をそっと開こうとするかのようのです・・・^^
アートな香水
この香水は、まさにボトルのイメージそのもののように感じます。
抜ける様に爽やかなエメラルド・グリーン色をしているのに、フロストガラスで曖昧な景色にしているボトルの佇まいは、まるで鮮やかなエメラルド・グリーンの海を、甘い記憶のフィルターにでもかけて見ているよう。
また、鼻と口を模したボトルに、私は香りのもつ主観性を感じました。
五感の中でも嗅覚は一番記憶と密接に結びついているといわれますが、それは、視覚・聴覚・触覚・味覚が、視床や大脳皮質を経てはじめて大脳辺縁系へ到達するのに対し、嗅覚だけは嗅神経から直接、大脳辺縁系へと入ることにより起こっているのだそうです。
最も原始的で、最も本能的な感覚といわれる嗅覚は、最もフレッシュに脳に情報を伝えているのですね^^
記憶の中にある香りが、その記憶と共に蘇る瞬間の心地は、とても素晴らしいものです。
私はこの香水をつけるたび、アートにはまっていた学生の頃の感覚を思い出します。
香りの成分
<トップノート> レモン, カラブリアン・タンジェリン, プラム, パイナップル
<ミドルノート> スズラン, エジプトのローズ, イタリア・イリス
<ラストノート> レユニオン島のバニラ, アンバー, ムスク, マダガスカルのサンダルウッド
1991年発表, 調香師 Mark Buxton
ノスタルジックな気分にさせてくれる、とっても素敵なフレグランスです♪
甘いのにどこかスッとした香りは、他にはない独特の個性を持っています。
そしてボトルが素敵すぎます!
奥深い香水の世界を覗いて見たい方に、ぜひおすすめする一品です^^